俳句例:201句目～
雪山のおもてをはしる機影かな/飯田蛇笏
雪山に雲のかゝりしことありぬ/今井杏太郎
雪山幾重まさしく北にポーラリス/福田蓼汀
雪山の朝日英霊にわかれ浴びぬ/石橋辰之助
雪山みゆるこの坂いつも埃まく/川島彷徨子
送水会や日ののこりゐる斑雪山/猿橋統流子
夜が来て雪山けもののごと横たふ/吉野義子
雪山の今日の輝き明日ありや/阿部みどり女
雪山のひかりのこれりかの夜空/石橋辰之助
雪山をはひまはりゐるこだまかな/飯田蛇笏
雪山に照る日はなれて往きにけり/飯田蛇笏
雪山真向ひもり上がりをる膝の継/川口重美
雪山背にバレーのごとき白孔雀/加藤知世子
雪山の昏るるゆとりに鳴る瀬かな/飯田蛇笏
雪山をゆく日とどまるすべもなし/飯田蛇笏
雪山のかがやき近き山になし/阿部みどり女
日がさしてくるはさびしや斑雪山/清崎敏郎
雪山を夜目にポールをまはすなり/中村汀女
斑雪山真下に機上のティータイム/塩川祐子
あかつきの雪山の上星黄なり/長谷川かな女
俳句例:221句目～
雪山の雲に入りてよりながし/阿部みどり女
斑雪山四方よりせまる別れかな/永田耕一郎
斑雪山かたくり咲ける頃とおもふ/鈴木貞雄
雪山のどの墓もどの墓も村へ向く/相馬遷子
逃げ来しにあらず雪山あたゝかし/石橋辰之助
良いときにお逝きなされて斑雪山/鳥居美智子
雪山こごりげんげ田の果に海光る/栗林一石路
雪山の夜ぞねがふべきいのち忘れ/石橋辰之助
夜の明けてをらぬ雪山見えてをり/青葉三角草
雪山暮るゝや天青きまゝ月ほの～/楠目橙黄子
逢へさうな逢へなささうな斑雪山/鳥居美智子
雪山に日のあたりたる馬のいななき/富澤赤黄男
小さき母雪山にながくながくあれよ/石橋辰之助
逢ひたさつのる夕ベの陽雪山に泌みる/大橋裸木
雪山のゑぐれし襞に霧たてばただよふ如し愛といふこと/五島茂
おほひなる雪山いま全盲かがやくそらのもとにめしひたり/葛原妙子
たはやすく弾丸に撃たれて雪山をまろび落つる熊は映画に撮られぬ/半田良平
