「屋根替」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「屋根替」について
【表記】屋根替
【読み方】やねがえ
【ローマ字読み】yanegae
子季語・関連季語・傍題・類語など
・屋根葺く(やねふく:yanefuku)
・葺替(ふきかえ:fukikae)
–
季節による分類
・「や」で始まる春の季語
・「春の生活」を表す季語
・「仲春」に分類される季語
月ごとの分類
屋根替を含む俳句例
屋根替や山水軒に迸り/富安風生
葺替の藁屋根を丸裸にす/右城暮石
花桐や屋根の葺替長梯子/小杉余子
屋根替の埃に在す仏かな/山田閏子
屋根替の埃の中に立話/阿部みどり女
屋根替に長き梯子の盆地空/野澤節子
屋根替の竹を大きく宙に振り/森田峠
屋根替の余りし萱を堂裏に/平田寒月
浄智寺の屋根替衆に鵯谺/肥田埜勝美
屋根替の一人淋しく頬かむり/高浜虚子
屋根替の男に梯子とどきけり/黒田杏子
屋根替のうしろに見える嵐山/田畑三千
屋根替のさなかの寺の花御堂/奈良鹿郎
屋根替の萱束ねあり能舞台/滝沢伊代次
屋根替やこき使はれて怠け者/鈴木花蓑
屋根替の一人下りきて庭通る/高野素十
葺き替し屋根にほころぶ絲櫻/高浜虚子
屋根替の上下の声を鳥よぎる/松田都青
屋根替の埃日ねもす空へとぶ/高濱年尾
屋根替の塵掃き下ろす水の上/野村泊月
俳句例:21句目~
屋根替の大鍋畑に据ゑにけり/小原啄葉
仏たち立ちのき給ひお屋根替/野島無量子
屋根替にまたも飛雪の奥丹波/薄木千代子
屋根替のひとり淋しや頬かむり/高浜虚子
屋根替の寄進の萱を刈りに来し/勝俣泰享
屋根替の籠伏せの鶏鳴きにけり/太田土男
屋根替の萱つり上ぐる大伽藍/松本たかし
屋根替の用意の萱と聞きし嵩/田辺夕陽斜
屋根替の藁全量を火となせり/中戸川朝人
屋根替の雨となりたる雨やどり/本岡歌子
屋根替の煤たちのぼる山家かな/西島麥南
屋根替の人も古墳も夕焼くる/伊藤いと子
屋根替の真下に蕎麦湯啜りけり/能村研三
屋根替の萱負ふは亡き人ばかり/吉本伊智朗
屋根替の大いなる北負ひにけり/波多野爽波
屋根替や土塀めぐらす大百姓/阿部みどり女
屋根替の親類となく来てくれて/長谷川素逝
屋根替の唄降つてくる青木の実/柴田白葉女
屋根替の人くろぐろと跳ぶごとし/冨田正吉
蝶一つ舞ひあがりゆくお屋根替/中村千恵子
俳句例:41句目~
屋根替の一人がなまけをりにけり/成瀬正とし
屋根替のことしの番のまはり来て/長谷川素逝
屋根替の簷をつばくろ出ては入る/長谷川素逝
屋根替やしばしは富士をうち眺め/成瀬櫻桃子