「夜学」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「夜学」について
【表記】夜学
【読み方】やがく
【ローマ字読み】yagaku
子季語・関連季語・傍題・類語など
・夜学子(やがくし:yagakushi)
・夜学生(やがくせい:yagakusei)
・夜学校(やがっこう:yagakko)
・夜間学校(やかんがっこう:yakangakko)
・夜習(よならい:yonarai)
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季節による分類
・「や」で始まる秋の季語
・「秋の生活」を表す季語
・「三秋」に分類される季語
月ごとの分類
夜学を含む俳句例
埋火や夜学にあぶる掌/白雄
髪若し夜学は雨月物語/上村占
先生の前に夜学の煙草盆/篠原
実や蛍夜学の暇たばこの火/守信
黒板に高き桁木や夜学寺/河野静雲
頭巾着て老いぬ夜学の影法師/太祇
蚊屋釣や夜学を好む真ッ裸/炭太祇
拡大鏡頼みに老の夜学かな/槙正方
大峰の月に帰るや夜学人/飯田蛇笏
全校の一教室の夜学の灯/須佐薫子
摩天楼最上階の夜学かな/仙田洋子
新任の夜学教師や椎の花/木村里風子
膝頭詰まる机に夜学かな/山下/輝畝
夜学の師少なき生徒一眺め/高浜虚子
木居る畳に坐り夜学かな/松本たかし
白髪の師を敬ひて夜学受く/松本弘孝
灯の暗き階段席の夜学かな/前田白雨
夜学けふ蒼々として海深図/内田暮情
警官の誰何も夜学帰りかな/松永恵子
闇にして唱へり夜学終へぬらし/林翔
俳句例:21句目~
辛うじて夜学修めし水温む/久米正雄
海鳴のさみしき夜学はげみけり/篠原
海亀の剥製のある夜学かな/岸本尚毅
一つ灯に賢兄愚弟夜学かな/小林寂無
一隅に夜学教師の梅雨の傘/沢木欣一
先生と気が合ひ夜学休まずに/岸善志
日本の小さくなりし夜学かな/龍岡晋
沙彌夜学月の畳のまん中に/橋本鶏二
翅青き虫きてまとふ夜学かな/木下夕爾
夜学の灯吊りて高さや古天井/島田青峰
たはしにて夜学教師の指洗ふ/沢木欣一
灯の下に夜学の如く卓を置く/高木晴子
教師出て夜学の門を開きけり/中瀬喜陽
住込の二階にかへる夜学かな/長倉閑山
校門の開きふくらむ夜学の灯/杉山加代
口笛に夜学の果てしことを告ぐ/森田峠
夜学教師黒板の奥へ帰りけり/味元昭次
山がつに雲水まじる夜学かな/飯田蛇笏
仕事着のまま教室へ夜学の子/岡安仁義
夜学部や宿直室に雪降り来る/森田智子
俳句例:41句目~
昇降機声なく満ちて夜学果つ/中嶋秀子
夜学の鐘やさし寒の月と雲に/古沢太穂
夜学の子今戻り来し門ギイと/久米正雄
蚊を叩く音も更けたる夜学哉/正岡子規
師に近き思ひの句座の夜学めく/岡本眸
沙翁説き今も貧しき夜学の師/香月梅邨
質問もなく終りたる夜学かな/小西須麻
夜学教師霧に食はれし肘の穴/栗生純夫
近々と夜学の灯なる障子かな/小杉余子
勤めより夜学へ夫の歩の若し/黒坂綾子
雅楽師の少年来たる夜学かな/松村響子
復唱の英語かたまりとぶ夜学/大橋敦子
顔あげず古歌説く夜学老教師/中村若沙
左足の靴がとほくにある夜学/大石雄鬼
同郷のホステスを呼ぶ夜学の師/八木博信
嘆かへば夜学の氷柱樫のごとし/杉山広三
夜学して蚊にくはれけり試験前/正岡子規
夜学すすむ教師の声の低きまま/高濱虚子
夜学すすむ教師の聲の低きまま/高浜虚子
夜学の灯消して俄にひとりなる/松倉久悟
俳句例:61句目~
夜学まぶし道より低き赤子の声/香西照雄
夜学少女髪赫かりき長かりき/山田みづえ
夜学教師に青葉ひしめくコップの水/綾子
夜学教師の黒く大きな梅雨の傘/細見綾子
夜学果つ廊下真つ先駆けてくる/永井龍男
夜学淋し運河の破船玻璃に峙つ/橋本鶏二
解剖の図古びてかかる夜学かな/橋本鶏二
女教師の声のひゞける夜学かな/加藤一蝶
子の部屋の夜学はかどる口笛か/亀井糸游
子等は夜学琴座の星は老梅に/佐野青陽人
山の子に夜学教へて住みつきぬ/木村蕪城
帰化試験受けんと老の夜学かな/常石芝青
年上の教へ子もゐる夜学かな/村中千穂子
彩りし犬の画姉妹夜学かな/長谷川かな女
杉の秀に星無し聖夜の夜学なる/香西照雄
湯沸く音身近くなりて夜学果つ/宮坂静生
火事の焔あがる夜学の窓ちかく/臼田亜浪
獄夜学あした出所をはげまして/小林波留
笑はせて収拾つかぬ夜学かな/中島不識洞
縁日を実はぬけきし夜学かな/荻野忠治郎
俳句例:81句目~
○呉れて共によろこぶ夜学かな/依田穂積
うばたまの夜学の窓をあけし儘/飯田蛇笏
蚊帳つりて夜学の人のともし哉/正岡子規
謝謝とテキスト閉ぢる夜学かな/越野蒼穹
がつたんと地球儀廻る夜学かな/中村若沙
さし油乞ひに母家訪ふ夜学かな/高田蝶衣
ひとり未だ揃はぬ夜学始まれり/西村博子
へつらふが如き夜学の教師かな/高浜虚子
イスラムの青年に貸す夜学の書/竹岡一郎
コロッケに藷のかたまり夜学果つ/辻桃子
音もなく星の燃えゐる夜学かな/橋本鶏二
ナイターの光彩の裡夜学了ふ/能村登四郎
三階より桐の花みる夜学教師/田川飛旅子
冷やかに坐を移し居る夜学かな/右城暮石
夜学の灯洩れ合ふ寮の廊下かな/五十嵐播水
塾生は檀家ばかりや庫裡夜学/佐々木あきら
雨のバス夜学終へたる師弟のみ/肥田埜勝美
夜学にもやつてもらつて勤めけり/森川暁水
ホ句の弟子集めし夜学机かな/長谷川かな女
コツペ一つ食ひちぎりつつ夜学の門/瀧春一