季語/露(つゆ)を使った俳句

「露」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「露」について

【表記】露

【読み方】つゆ

【ローマ字読み】tsuyu_

子季語・関連季語・傍題・類語など

・白露(しらつゆ:shiratsuyu)

・初露(はつつゆ:hatsutsuyu)

・夕露(ゆうづゆ:yuzuyu)

・夜露(よつゆ:yotsuyu)

・朝露(あさつゆ:asatsuyu)

・上露(うわつゆ:uwatsuyu)

・下露(したつゆ:shitatsuyu)

・露の玉(つゆのたま:tsuyunotama)

・露の秋(つゆのあき:tsuyunoaki)

・露葎(つゆむぐら:tsuyumugura)

・露の宿(つゆのやど:tsuyunoyado)

・露けし(つゆけし:tsuyukeshi)

季節による分類

・「つ」で始まる秋の季語

・「秋の天文」を表す季語

・「三秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

9月の季語

10月の季語

露を含む俳句例

帰る桜錦ぞ頭巾都入/露沾

山吹や目洗ひ薬花の露/安昌

朝露や鬱金畠の秋の風/凡兆

俤のむき栗白し雨の月/露言

曙や芭蕉を走る露の音/睡華

唐紙や敷居の細道蔦葛/露甘

魚分つ海士の篝や露の中/大梅

露露に流れさうなる柱哉/一茶

朝露や鶏のつく若菜うり/舞雪

露零す螢袋に道草す/高澤良一

芋の露巴走りや露の中/小澤實

露ちるや桂の里の臼の音/闌更

苔の露十三塚の螢かな/泉鏡花

天井に露の歯車紬織/古舘曹人

笋の露あかつきの山寒し/支考

濡落の雫晴れけり菊の露/朱廸

お側近う囀がたし心の鳥/露言

入墨も余生の薄さ露青光/林翔

芋の芽の出揃ふ露や時鳥/巴流

しら露や無分別なる置所/宗因

俳句例:21句目~

漂へるごとくに露の捨箒/風生

水梨や幾秋の夜の露の味/乙州

蓬生や露の中なる粉引唄/一茶

おく耳に声の数など子規/露山

夕朝の露で持たる世界哉/一茶

石白く粗く化野露佛/高澤良一

露深く朝顔の花の並び哉/聞詩

狩衣の露けき袂薪能/武川明子

山廟や露の葎に鬼瓦/寺田寅彦

鴾啼て雲に露ある山路哉/挙白

一山の要に露の千光寺/長田等

遠空の露の茜や宝塚/飯田蛇笏

涼しさは露の大玉小玉哉/一茶

鐘樓の瓦に露の葎哉/寺田寅彦

白砂や露の貝殻鏤めて/石塚友二

朝露や猪の伏す芝の起上り/去来

露葎まだやはらかき蝉の殻/竹代

朝露や菊の節句は町中も/炭太祇

就中學窓の灯や露の中/飯田蛇笏

露萩もおるるばかりに轡虫/越人

俳句例:41句目~

山の宿三代にして露の墓/大串章

山國の蝶眠りゐる露けさに/林桂

葛村の茂平次寄進露の磴/飴山實

山墓の石も巷も露の秋/石塚友二

山妻の着る紺絣露の秋/山口青邨

白菊に置得たり露置得たり/嵐山

朝風の零す旋律露しぐれ/湯川雅

綿虫や露坐の仏の厚瞼/石川文子

零露して関守諷ふ頭巾かな/几菫

市人の物うちかたる露の中/蕪村

いざゝらば露よ答よ合点か/一茶

隣の後家小笹の露や秋の暮/調鶴

笠の露も杉の匂ひや霧の朝/呑溟

涼しさや雨を露なる竹の月/太祇

億万の仏の露の高野山/皿井旭川

門前や一本槇の露時雨/松瀬青々

引寄て蓮の露吸ふ汀かな/炭太祇

聖時鐘蜻蛉ら露を啣へ飛ぶ/林翔

木槿にも松にも露の一夜哉/米園

金剛の露ひとつぶや石の上/茅舎

俳句例:61句目~

稲妻にこぼるゝ音や竹の露/蕪村

遺愛とて露も置くべき丸硯/林翔

猪に露の事あり最晩年/永田耕衣

逍遥の神父を濡らす露葎/向井秀

送火は乾かすものを袖の露/巴流

猪の露折かけてをみなへし/蕪村

汗や露おのが染たる柿帷子/自鶴

露の玉百千万も葎かな/川端茅舎

花薄暁の鐘に露ほろ~/藤野古白

今朝ぞ置く竹の下露自在釜/鉄丸

なら漬桶糟残りけり新茶好/露言

躓くや磴のぼる露の虫/小林康治

日が月に代りて露の芒原/森澄雄

赤玉の木の実も降や露時雨/一茶

莟とも見えず露あり庭の萩/其角

猫拾ひ来て長子立つ露時雨/原裕

白雲の寂花蓼の露百顆/石原八束

修復の露の一燈神楽殿/木村蕪城

晩菊の露や墓前を鎧ふ松/及川貞

暁の仏拝むや嗚呼露と/尾崎紅葉

俳句例:81句目~

丸茄子朝露弾く梵天丸/高澤良一

柱抱き清の王朝露景色/鳴戸奈菜

暁の露山荘の障子かな/西山泊雲

暁の骨に露置く焼場哉/正岡子規

笹の葉の露にも星の一夜哉/亀友

鶏頭の白からんまで露微塵/青邨

鶏をつれて人ゆく露の中/原田喬

主病む露の箒を柴垣に/橋本鶏二

きくの露受て硯のいのち哉/蕪村

白樺の大露に咲く鳥兜/飯田蛇笏

暁や六日の菖蒲露の闇/松瀬青々

一点の露の光芒拡大す/中村汀女

暁や栗毛駆けぬく葛が露/齋藤玄

月蝕の露にあてまじ白牡丹/木導

魂に玉消ぬ仏に萩の露/上島鬼貫

芋の露野守の鏡何ならん/炭太祇

露はらり~大事のうき世哉/一茶

初露に風さへしめる扇かな/秋色

露はしる紫式部白式部/和田祥子

露涼し掌ほどの畠づくり/上村占