「釣瓶落し」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「釣瓶落し」について
【表記】釣瓶落し
【読み方】つるべおとし
【ローマ字読み】tsurubeotoshi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・秋の落日(あきのらくじつ:akinorakujitsu)
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季節による分類
・「つ」で始まる秋の季語
・「秋の天文」を表す季語
・「三秋」に分類される季語
月ごとの分類
釣瓶落しを含む俳句例
まく喋る女に釣瓶落の日/飯田綾子
石窟の仏に釣瓶落しかな/角川春樹
隅櫓釣瓶落しを支へをり/澤田緑生
真ツ向に釣瓶落しの表門/根本濤生
椿渇き釣瓶落しや黄泉の月/仁平勝
琴糸の里にて釣瓶落しかな/神蔵器
猫車釣瓶落しの寺にあり/若月瑞峰
葭蔵の釣瓶落しの窓一つ/肥田埜勝美
大鳴門小鳴門釣瓶落しかな/後藤克巳
天地は釣瓶落しの遊びせる/中村尚子
花頭窓点りて釣瓶落しかな/青木重行
山襞の深みて釣瓶落しかな/水原春郎
湖北なる釣瓶落しを私す/文挟夫佐恵
祭止む一里つるべ落しかな/杉山加代
釣瓶落し日に七便の一輛車/道川虹洋
釣瓶落し家裏に抜く葱二本/相馬遷子
反逆の天使に釣瓶落しかな/吉原文音
釣瓶落しの重み支ふる海の張り/林翔
塾の子の鞄に釣瓶落しかな/佐伯星子
釣瓶落しの谷や老杉縦列す/渡辺恭子
俳句例:21句目~
これよりの釣瓶落しの丹波かな/森澄雄
釣瓶落し馬上の翁鞭持たず/斎藤由美子
つるべ落し少名彦名命の通ひみち/原裕
はてさてと惑へば釣瓶落しかな/堀政尋
われはまだまだとも釣瓶落しかな/林翔
門にして釣瓶落しに縛さるゝ/相馬遷子
魚の目に釣瓶落しの藁とほす/長谷川双
一怒濤生るる釣瓶落としかな/橋本鶏二
七十や釣瓶落しの離婚沙汰/文挟夫佐恵
今日もまた釣瓶落しに遠き橋/角川春樹
信濃太平記問答釣瓶落しかな/松橋利雄
日当を頂くつるべ落しかな/小池かずや
次郎柿釣瓶落しの日に馴れて/高澤良一
海は母釣瓶落しをしかと抱き/岸風三樓
淡路文楽一幕釣瓶落しかな/百合山羽公
ダム工事半ばの釣瓶落しかな/堀江爽青
灘翔けて釣瓶落しを追ふ鳥か/松本幹雄
爆心碑読む間の釣瓶落しかな/貞吉直子
落葉松の琥珀に釣瓶落しの日/岡田貞峰
鰤網の浮標燃ゆ釣瓶落しかな/石原八束
俳句例:41句目~
釣瓶落しは蝕まれたる神の色/仙田洋子
釣瓶落し夫亡き家路急ぎけり/菊池静子
ィオカード飛出て釣瓶落しかな/都筑智子
コンコルド広場の釣瓶落しかな/石原八束
大山に釣瓶落としの雲ふたすぢ/米谷静二
釣瓶落しに人さらひ来る時刻/東浦津也子
大いなる涅槃の釣瓶落としかな/築田圭子
四つ角で別るる釣瓶落しかな/吉木フミエ
甌穴百の沖なる釣瓶落しかな/佐怒賀正美
一本の木を得て釣瓶落しかな/星川木葛子
ヘリポート釣瓶落しの灯が点る/寺岡捷子
釣瓶落しの日が首つりの縄の中/有馬朗人
巻きそめし渦潮釣瓶落しかな/長谷川史郊
鋤の柄の冷えくる釣瓶落しかな/中島克巳
長泣きの児がゐて釣瓶落しかな/小野喬樹
峡の日の釣瓶落しや蕎麦を刈る/永田市平
駱駝が啼く釣瓶落しと思ひけり/松山足羽
島まはりおほせず釣瓶落しかな/朝倉和江
鯖が立つ釣瓶落としの秋の陽に/坪内稔典
秋田杉の香を積む釣瓶落しの日/柴田白葉女
俳句例:61句目~
子を呼ぶ声しきりに聞ゆ釣瓶落し/大谷恵教
焼餅を食うべ釣瓶落しの秋の日や/山口青邨
釣瓶落しとずるずる海に没る夕陽/寺井谷子
林檎樹の上に手が見え釣瓶落し/殿村莵絲子
釣瓶落し子はそれぞれに電話持ち/岡田菫也
釣瓶落し思ひ断つべく沼に来て/飯野てい子
釣瓶落し海に曳かるる心地して/藤井寿江子
釣瓶落しといへど光芒しづかなり/水原秋櫻子
つるべ落しのあとを灯の湧く峡の村/佐藤静峰子
釣瓶落しのいまはのひかり聖者らへ/築城百々平
日本シリーズ釣瓶落しにつき変はり/ねじめ正也
ビニールハゥス釣瓶落しの日をはじく/阿波野青畝