「陶枕」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「陶枕」について
【表記】陶枕
【読み方】とうちん
【ローマ字読み】touchin
子季語・関連季語・傍題・類語など
・磁枕(じちん:jichin)
・青磁枕(せいじちん:seijichin)
・白磁枕(はくじちん:hakujichin)
・陶磁枕(とうじちん:tojichin)
・石枕(いしまくら:ishimakura)
・金枕(かねまくら:kanemakura)
・竹枕(たけまくら:takemakura)
・木枕(きまくら:kimakura)
・瓦枕(かわらまくら:kawaramakura)
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季節による分類
・「と」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
陶枕を含む俳句例
漆黒の揚羽蝶彫り陶枕/辻桃子
大船の女流に頼む陶枕/攝津幸彦
父の遺せし陶枕の青き竜/海野迪子
陶枕の詞は孤閨歎きけり/由山滋子
陶枕の呉須の長江下りかな/飴山實
陶枕に宮沢賢治読みきかす/辻桃子
陶枕を愛せり猫のかたちゆゑ/日原傳
陶枕売る華僑の片言日本語/高澤良一
陶枕の絵の仙人となり睡る/中田勘一
陶枕の置かれしゆゑの風通る/角光雄
虚事をうつくしく描き陶枕/大石悦子
陶枕の青き山河に睡りけり/綾部仁喜
陶枕や呉須の七賢夢に出よ/秋田卯子
陶枕や昼うすれゆく朝の悔/大屋達治
陶枕を借りて視線の鮮しき/都筑智子
陶枕に昼寝て夜の磁気枕/中戸川朝人
陶枕に昼寝の猫の似てきたり/日原傳
陶枕に浅き眠りを托しけり/鷲田裕子
亡き母の陶枕に濃き山水図/肥田埜恵子
夢見よく覚め陶枕の彼方なる/千田百里
俳句例:21句目~
来客に起きて陶枕撫しにけり/永尾宋斤
陶枕に似せて字引の三つ重ね/矢島渚男
陶枕に夢の出てゆく穴ふみつ/中原道夫
陶枕の陶の肌へのくもりかな/足立幸信
陶枕の唐子散らしや宵の雨/小野恵美子
陶枕も遺品の一つまどろまむ/稲葉百年
陶枕や上段の間のいまは無く/木村蕪城
陶枕や琉球駄菓子ほろほろと/村沢夏風
陶枕のかたきを得たる九月かな/安住敦
陶枕に固きあたまを載せにけり/細川加賀
陶枕に耳遠き娘の眠りたる/小野田三保子
陶枕の見えゐたりしがそを薦む/木村蕪城
陶枕の李朝の猫と目覚めけり/加藤知世子
陶枕の唐子の遊戯にまどろみぬ/後藤綾子
陶枕の冷えのまにまにわが昼寝/皆吉爽雨
なほざりに母の陶枕ころがされ/肥田埜勝美
陶枕につづく山河に父母のあり/柴田佐知子
陶枕に貼られぽつくり寺の護符/六田あき子
陶枕の生ひ立ち聞いてやる夜かな/十見達也