「年玉」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「年玉」について
【表記】年玉
【読み方】としだま
【ローマ字読み】toshidama
子季語・関連季語・傍題・類語など
・お年玉(おとしだま:otoshidama)
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季節による分類
・「と」で始まる新年の季語
・「新年の生活」を表す季語
・「新年」に分類される季語
月ごとの分類
年玉を含む俳句例
年玉や目笊なげこむ売/梓月
年玉の重き串柿遅く着く/羽公
糞とりの年玉寒し洗ひ蕪/許六
年玉や水引かけて山の芋/鬼城
商ふを嘉し年玉旅びとに/下田稔
年玉の鮭の巻藁薄みどり/うせつ
姑の小包お年玉毛糸玉/黒田杏子
老衲に鰤一本の御年玉/森永杉洞
年玉も必要経費帳始/杉山芳之助
年玉の水引うつる板間かな/虚子
年玉に梅折る小野の翁かな/言水
年玉や村の聖の通ひ弟子/辻瓢六
お使ひの口上上手お年玉/星野立子
年玉のかず~に灯や枕元/石井露月
お年玉使走りの小娘に/池内たけし
望みゐし扇子役へ年玉に/片岡我当
お年玉大尽と街闊歩せり/高澤良一
楪葉にこは年玉の霰かな/藤野古白
橋賃に添へ橋番へお年玉/佐塚半三
年玉の数に加えん春の雪/水田正秀
俳句例:21句目~
かへらうといふ子にお年玉何を/占
年玉やかち~山の本一ッ/松瀬青々
一重瞼二重瞼へお年玉/大澤ひろし
年玉や利ぬくすりの医三代/炭太祇
年玉や半紙手拭がさ~と/野村喜舟
年玉や古く悲しき親の恩/高橋睦郎
年玉や父の世よりの女弟子/幸喜美
山寺や高々つみてお年玉/飯田蛇笏
年玉に傾城の香のうつりけり/青々
年玉や貝に納めし豆人形/島道素石
年玉を並べて置くや枕元/正岡子規
年玉を孫に貰ひて驚けり/相生垣瓜人
年玉を天窓におくやちひさい子/一茶
年玉の真鱈とどきぬ雪を噛み/嫦蛾朗
年玉や絖々として伊勢木綿/大石悦子
お年玉船箪笥より取りいだす/林佑子
年玉を宿のわらべに老遍路/壺井久子
不惑なほ母から貰ふお年玉/鎌田真弘
堀佳代に若葉句帖をお年玉/西本一都
年玉をならべておくや枕許/正岡子規
俳句例:41句目~
鞠のごと弾み来し子にお年玉/轡田進
年玉や父の白髪見にゆかむ/鈴木太郎
浪人の子に特別のお年玉/大塚とめ子
年玉をいただいてより迷い箸/田辺花
お年玉ちらと見くらべ姉いもと/きりを
提げてゆく七草籠やお年玉/高橋淡路女
年玉やものものしくも紙二帖/尾崎紅葉
お年玉目当の子等と気附くまで/楓巌濤
年玉の熨斗をえらぶや盆の上/増田龍雨
年玉のまこと品よく小さなる/星野立子
年玉の十にあまりし手毬かな/高浜虚子
年玉やにくまれ年の七ツ八ツ/湯室月村
年玉の袋のミッキーマウスかな/嶺治雄
年玉を妻に包まうかと思ふ/後藤比奈夫
年玉袋男の子女の子と色違へ/角川照子
お年玉大きくはづみ酔ひにけり/三宅句生
お年玉母の喪に読みこもる子よ/中村路子
年玉を美しき子におくりけり/楠目橙黄子
年玉を呉れたりしこと罪せしむ/岡本圭岳
年玉のかざしの鶴の挿せば舞ふ/森川暁水
俳句例:61句目~
棲み古りてふたり年玉交しけり/黒田杏子
年玉に添へしすみれの匂ひけり/幕内千恵
母よりの年玉を子に見られけり/藤野/力
もう誰も来ぬ年玉を包みをり/後藤比奈夫
年玉の襟一トかけや袂より/久保田万太郎
年玉の手拭の染メ匂ひけり/久保田万太郎
太郎月の太郎のお年玉いちふらん/阿部完市
年玉をとりためらふもあはれなり/比良暮雪
明けましておめでたく出るお年玉/軸丸光義
年玉の化けてつまらぬものばかり/中原道夫
爺ちやんにもらふ皺くちやお年玉/木田千女
子が呉れし年玉なればしまひおく/関戸靖子
抱けば足る年玉のまだ要らぬ子は/松倉ゆずる
黒く大きな祖父のポケットお年玉/鈴木やす江