俳句例:101句目~
ひとの家を更けてたちいで酉の市/石田波郷
酉の市へ細い町を曲つては我れも/喜谷六花
だんだんに顔が灯に浮き酉の市/深見けん二
酉の市帰途の渡舟の灯のつきし/石井とし夫
あらば世にみどりいくつぞ酉の市/増田龍雨
七味売りに蕎麦がとどけり酉の市/若月瑞峰
道変へて羅宇屋と遇へり酉の市/白澤よし子
めッきりとことしの冬や酉の市/久保田万太郎
酉の市はやくも霜の下りしかな/久保田万太郎
ぬかるみに下駄とられけり酉の市/高橋淡路女
とっくりセーター人波をゆく酉の市/高澤良一
しむる手のあざやかさ聞け酉の市/阿波野青畝
提灯のちやうちんや文字酉の市/久保田万太郎
龍泉寺町のそろばん塾や酉の市/久保田万太郎