俳句例:101句目~
鳥曇り口シア寺院を出でし火夫/攝津幸彦
影過ぎて近江の空や鳥ぐもり/山上樹実雄
鳥風の白湯のんで笙吹けるなり/岡井省二
また職をさがさねばならず鳥ぐもり/安住敦
ナプキンの帆をくずしけり鳥曇/宮川みね子
テトラポットの太腿ならぶ鳥曇り/国領恭子
花器いくつ棚にねむらせ鳥ぐもり/朝倉和江
曲り家の屋根の曲り目鳥ぐもり/能村登四郎
鳥曇り月のなかばは旅にすごす/成瀬桜桃子
身のものを旅に買ひ足す鳥ぐもり/茂里正治
伐りつめし欅のトルソー鳥ぐもり/平井さち子
タラップを降り佇つ日本鳥ぐもり/佐野まもる
鳥曇よしなきことにかゝづらひ/久保田万太郎
鳥曇ニツポニアニツポン生きゐて絶ゆ/三橋敏雄