「鶏合」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「鶏合」について
【表記】鶏合
【読み方】とりあわせ
【ローマ字読み】toriawase
子季語・関連季語・傍題・類語など
・闘鶏(とうけい:tokei)
・鶏の蹴合(とりのけあい:torinokeai)
・勝鶏(かちどり:kachidori)
・負鶏(まけどり:makedori)
・賭鶏(かけどり:kakedori)
・闘鶏師(とうけいし:tokeishi)
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季節による分類
・「と」で始まる春の季語
・「春の行事」を表す季語
・「晩春」に分類される季語
月ごとの分類
鶏合を含む俳句例
闘鶏実を倒や蕃椒/高橋馬相
只今たゞ抜羽二枚や鶏合/森田峠
鶏合人輪もろ共移りけり/浅井啼
暦日もなき山中や鶏合/和気魯石
老人の首にタオルや鶏合/小澤實
森の村闘鶏場にしんと人/金子兜太
闘鶏の血が白幕に少しづつ/日原傳
旅幾日負鶏のごと水を飲む/河野薫
勝鶏の抱く手にあまる力かな/太祗
人垣のうしろに僧や鶏合/鈴木鷹夫
鶏合の風生ぐさし月の山/姉崎/昭
鶏の血を口で拭ひき鶏合/松瀬青々
闘鶏を小脇に海の男たち/坂本宮尾
春あつく素袍に汗や鶏合/飯田蛇笏
闘鶏や人輪崩れず日の下に/原月舟
闘鶏の驚破虹霓を放ちけり/龍岡晋
闘鶏や和田畠山亡びゆき/尾崎迷堂
鶏合鶏ふところにして来る/岡田抜山
くづれては寄る人垣や鶏合/島崎秋風
一蹴りの目にもとまらず鶏合/森田峠
俳句例:21句目~
闘鶏や川飛び越えて人来る/高浜虚子
勝ちて酒負けても酒や鶏合/西村旅翠
闘鶏や花の下影こきところ/村上鬼城
弘法寺の坂下り来れば鶏合/高野素十
闘鶏や遠き干潟に船傾ぎ/大岳水一路
闘鶏図双巒を藍に描きけり/野村喜舟
勝鶏を抱く一蹴を胸に受く/小畑晴子
隅々まで見て竹秋の闘鶏図/高澤良一
勝鶏も負鶏も抱きかゝへられ/林旗亭
負鶏に物言ひて水口移し/田川飛旅子
鶏合目も見ずなりてあはれなり/曉台
鶏合篇がこひぞおぞましき/野村喜舟
鶏合虫歯のはれを抑えつゝ/野村喜舟
秋光や闘鶏老いし頸を立て/松本幹雄
闘鶏の人の散りゆく灰神楽/吉田汀史
うつ然と大樹の下の鶏合せ/柴田白葉女
人の輪の見せざる修羅や鶏合/野村喜舟
奈良線に沿へりし邑の鶏合せ/山口誓子
父呼びに行きたるままや鶏合/徳淵富枝
荷下ろして見てゐる人や鶏合/高浜虚子
俳句例:41句目~
勝鶏の宙をとびゆく土けむり/植田露路
逆立てし羽に日の差す鶏合せ/岩切貞子
幼年のわれに祖父あり鶏合せ/佐藤鬼房
鶏合せ雪を散らして了りけり/皆川盤水
勝鶏を抱き昂ぶりを分ち合う/村山白朗
負鶏を蜜樹箱にて持ち去れり/棚山波朗
闘鶏の眼つむれて飼はれけり/村上鬼城
負鶏も勝鶏もまたあはれなり/高濱年尾
鶏合せ覗き去りたる神父かな/吉川耕花
負鶏に水ふくませぬ口づから/伊藤葦夫
負鶏のぬけがらのなほ闘へり/小川軽舟
負鶏の伏籠に垂れてゆるきまり/小澤實
闘鶏師持参の餅を炉に焼いて/高濱年尾
闘鶏の血を見て帰る疾風なか/成田千空
闘鶏のねむりても張る肩の月/加藤楸邨
蹴上げざま血に羽ばたける鶏合/福田蓼汀
鶏合す鍛冶場の路地の雪を割り/山崎羅春
闘鶏の抱かれて蹴爪たたみけり/宮岡計次
闘鶏のばつさばつさと宙鳴れり/野澤節子
闘鶏のうしろ真白き濤がしら/北見さとる
俳句例:61句目~
闘鶏の血しぶきの宙くもれりき/森川暁水
闘鶏やおのれ罪人のごと覗く/加藤知世子
勝鶏の水呑みやまぬのんどかな/藤木紫風
負鶏を自転車に抱き去りにけり/河野静雲
闘鶏の修羅場となりぬ萬花鏡/小島ノブヨシ
闘鶏師かたむく椅子にありにけり/岸本尚毅
闘鶏のかすかなる血を浴びにけり/中西夕紀
勝鶏に手をあましをる夫婦かな/鈴木灰山子
闘鶏師負けたるときのこと言はず/水木祥壱
ねむごろに拭かれ負鶏目をつむる/前田まこと
人間の眼もていどめる二羽や闘鶏図/文挟夫佐恵
勝鶏などもかなし全身抱き上げられ/五十嵐研三