「天瓜粉」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「天瓜粉」について
【表記】天瓜粉
【読み方】てんかふん
【ローマ字読み】tenkafun
子季語・関連季語・傍題・類語など
・天花粉(てんかふん:tenkafun_)
・汗しらず(あせしらず:aseshirazu)
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季節による分類
・「て」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
天瓜粉を含む俳句例
大き目に大きな泪天瓜粉/吉本昴
天瓜粉子供の頃の夕方よ/杉本零
眦にひかる泪や天瓜粉/矢島渚男
夕月や子の顔白き天瓜粉/星野麦人
天瓜粉非番の夫を裏返す/瀬間陽子
六尺の夫の背中へ天瓜粉/上原勝子
天瓜粉子らに痩せ腕太肉/水原春郎
子の中の愛憎淋し天瓜粉/高野素十
山脈の荒々しくも天瓜粉/飯島晴子
晩年の子を鍾愛す天瓜粉/日野草城
育つ子の光と影に天瓜粉/千田稲人
天瓜粉何掴まんとする手足/西村和子
天瓜粉この骨盤に吾の居し/斎藤美規
かたちなき空美しや天瓜粉/三橋敏雄
天瓜粉宵月白く打たれけり/野村喜舟
天瓜粉はたき分別盛りなり/鈴木栄子
みどり児の固き拳や天瓜粉/吉田昭二
天瓜粉夕べ海鳥撒くごとし/友岡子郷
天瓜粉父の言霊消えやすき/如月真菜
天瓜粉子の寝し刻の妻の刻/太田蓁樹
俳句例:21句目~
直情の眉の太さや天瓜粉/岡部名保子
鏡にも手のあと白し天瓜粉/岡本松濱
天瓜粉病友と背を叩きあふ/石田あき子
天瓜粉この子僧には育てまじ/藤岡千恵
ちんぽこの不意の噴水天瓜粉/江尻三社
天花粉幼なの手足逃げやすし/谷中隆子
天瓜粉月下の風にはげにけり/高田蝶衣
天瓜粉役者のやうな一人っ子/古柴和子
天瓜粉額四角にたゝきやる/久保より江
まみどりの秘境に叩く天瓜粉/櫂未知子
天瓜粉しんじつ吾子は無一物/鷹羽狩行
天瓜粉まみれの老の喉ぼとけ/後藤夜半
嬰の四肢の弾みて勁し天瓜粉/伊東宏晃
子につけて吾にも匂ふ天瓜粉/土井糸子
祖母も打たるるままや天瓜粉/白岩三郎
やゝ鼻のひくきが愛嬌天瓜粉/長田有旦
ギブスして神なる笑ひ天花粉/浅井洲風
教師批判する子の頸の天瓜粉/川村紫陽
仁王立ちせる夫に振る天瓜粉/井村順子
泣顔のしほらしき子よ天瓜粉/松藤夏山
俳句例:41句目~
湯上がりの鼻すじ通す天瓜粉/佐藤照美
生れきてこの世に十日天瓜粉/長谷川櫂
心得て目をつむる子よ天瓜粉/中川弘陽
地平雷兆しつつあり天瓜粉/佐々木有風
聴診器あてゝ輪のつく天瓜粉/大槻右城
天瓜粉いくたび母を裏返す/増本加津子
天瓜粉吾子の睫毛が蘂となり/鷹羽狩行
高這の児を追ひかけて天瓜粉/畑中圓子
鼻先のちよこんと高し天瓜粉/鈴木貞雄
天花粉眠たき孫をうらがへす/大溝白日夢
おとなしくなれば眠たき天瓜粉/山田弘子
この頃のにくまれ口や天瓜粉/石井とし夫
みどり児のよろこぶ手足天瓜粉/加藤宗一
子は三界の首枷でよし天瓜粉/成瀬櫻桃子
切り岸の母おそろしき天瓜粉/廣嶋美恵子
天瓜粉おまけ一つの背に丸く/墓田まさこ
息つめて叱られてゐる天瓜粉/徳田千鶴子
打擲に似て天瓜粉こころよき/大竹きみ江
天瓜粉つけし子原爆図を仰ぐ/磯貝碧蹄館
天瓜粉のおでこ並べて縁ゆふべ/清原枴童
俳句例:61句目~
母となりし声のゆとりや天瓜粉/岡田和子
天瓜粉の匂ひを散らす暗らき方/細見綾子
天瓜粉の子に雨の色きかれたる/神崎徒怒
湯上りの子をうらがへし天瓜粉/中村秋晴
天瓜粉まだ土知らぬ土踏まず/古賀まり子
天瓜粉まみれの孫をすくひあげ/田中暖流
天瓜粉大好き妻のすつぽんぽん/谷山桃村
天瓜粉打たるゝ子をぞ吾も欲し/杉山岳陽
種ゑ疱瘡つきし一顆も天瓜粉まみれ/篠原
笑うても泣いても良い子天瓜粉/吉村圭石
羽交締めされしわんぱく天瓜粉/斉藤浩美
天瓜粉けふもあしたもなく楽し/永井龍男
天瓜粉打つて乳房を子に与ふ/吉種千鶴子
胸いつぱい天瓜粉ふり女工たり/菖蒲あや
天瓜粉打てばほのかに匂ひけり/日野草城
天瓜粉病夫励ます語はひとつ/石田あき子
髪かいて額まろさや天瓜粉/長谷川かな女
天花粉つけて赤ん坊できあがる/坊城俊樹
みめよくてにくらしき子や天瓜粉/飯田蛇笏
天瓜粉打ちしみどり児借りて抱く/和田祥子
俳句例:81句目~
天瓜粉祖父母がかりに子は育つ/塩谷はつ枝
ほとばしる乳にむせぶ児天瓜粉/高城美枝子
寝返りをさせて泣かせて天瓜粉/佐々木久菊
天瓜粉まへは打たせず逃げまはる/長谷川双
病みぬれば天瓜粉打つ香にも噎せ/野沢節子
うすれゆく五感もよしや天瓜粉/岡本まち子
睡たさのうなじおとなし天瓜粉/水原秋櫻子
天瓜粉に笑むや二つのさきがけ歯/阿波野青畝
髪掻きあげてまろき額や天瓜粉/長谷川かな女
ちよぼちよぼと目鼻可愛し天瓜粉/長谷川かな女