俳句例:101句目～
梅探すごとく出て提げ豆腐器/石川桂郎
すれすれに基地の金網探梅行/沢木欣一
丁度良い日和となりぬ探梅行/原田一身
歩板かけ谷の十戸や梅探る/大久保橙青
仏心をもて探梅のよろこびを/松村蒼石
厠借る探梅の身を細うして/吉本伊智朗
終着は飲み屋なりけり探梅行/滝野緑雨
城あとの梅を探りてただひとり/上村占
密談のほしいままなる探梅行/上野英一
誰もちがふ時間を歩く探梅行/鎌倉佐弓
思はざる急流とあふ探梅行/能村登四郎
探り得し梅の応へてふるふ蕊/亀井糸游
梅を探りて病める老尼に二三言/高浜虚子
探梅のダムに映りて落ちあふも/亀井糸游
探梅の一人に木戸の開いてゐし/斉藤友栄
探梅や竹積む音の遥かより/ながさく清江
探梅の萱踏み分けてありにけり/茨木和生
山の辺の道を外れては梅探る/廣瀬ひろし
健脚のしんがりをゆく探梅行/升田/義次
丘ひとつ越え探梅のつもりなり/藤田湘子
俳句例:121句目～
もう何もなきところまで梅探る/藤崎久を
暗き日に探りて暗き梅を得し/相生垣瓜人
探梅の連れの煩はしくなりぬ/片山由美子
あなづりし道に迷ひぬ探梅行/松本たかし
探梅のナップザックに電子辞書/川崎展宏
探梅の松をくぐりて行きにけり/岩田由美
探梅のはずが地酒につかまりし/能村研三
この道をわれらが往くや探梅行/高浜虚子
探梅やここも人住むぬくさにて/田中裕明
探梅の墳の道またゆきどまり/小澤満佐子
母われの掌を握る嬰よ梅探らう/仙田洋子
洗ひたての日が当りをり探梅行/能村研三
浪しろき海をはるけく探梅行/軽部烏頭子
涸滝のかよひそめをり探梅行/大橋櫻坡子
探梅のこゝろもとなき人数かな/後藤夜半
探梅の間に半生を聞かさるる/中戸川朝人
探梅の記事あり雑炊の朝餉了ふ/原田種茅
探梅のあとさがりなる袴かな/吉岡禅寺洞
軒の柊梅を探るにおぼつかなし/服部嵐雪
探梅の一壺酒われら明治つ子/佐野まもる
俳句例:141句目～
探梅となくわが庭の梅に会ふ/後藤比奈夫
探梅や鶏あきんどに追ひすがり/米沢吾亦紅
もういちまい余分にはおり探梅行/高澤良一
どこからも見ゆる露坐仏梅探る/加藤富美子
誘はれてきしだけのこと探梅行/波多野爽波
探梅に行きし如くに逝かれけり/大峯あきら
座席えてねむし探梅のビラさがる/原田種茅
探梅の寒さばかりを言ひどほし/正木ゆう子
探梅や不意に崖なす城址みち/鍵和田ゆう子
骨揚げを待つ探梅のごとく出で/中戸川朝人
探梅のはぐれたれどもいづれ逢はむ/草野駝王
身の紐をきつめに締むる探梅行/鍵和田ゆう子
探梅のどろんこの足袋提げてをり/米澤吾亦紅
