「高きに登る」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「高きに登る」について
【表記】高きに登る
【読み方】たかきにのぼる
【ローマ字読み】takakininoboru
子季語・関連季語・傍題・類語など
・登高(とうこう:toko)
・茱萸の袋(ぐみのふくろ:guminofukuro)
・茱萸の酒(ぐみのさけ:guminosake)
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季節による分類
・「た」で始まる秋の季語
・「秋の行事」を表す季語
・「仲秋」に分類される季語
月ごとの分類
高きに登るを含む俳句例
登高や畑の中の道暫し/皆川白陀
巻雲は美しき雲登高す/鈴木一睡
登高やはろか平に陸稲刈/芝不器男
登高や一曲見せて千曲川/鷹羽狩行
登高やみな紺の羽に谷鴉/皆吉爽雨
雛段の高きへ登る紅き階/山口誓子
山墓の高きに登り濤の白/近藤一鴻
登高の足海へ向く山へ向く/飴山實
蛤を提げて高きに登りけり/辻桃子
登高や鶴を招けば雲来る/島田五空
お天守へ高きに登る心もて/高濱年尾
登高す天の真名井に口漱ぎ/下村梅子
高きに登る日月星晨皆西へ/高浜虚子
地酒醒め高きに登る女たち/赤尾兜子
登高の一切空のひきかへし/平畑静塔
登高や秋虹たちて草木濡れ/飯田蛇笏
一足の石の高きに登りけり/高浜虚子
山彦は杜甫か李白か登高す/白澤良子
村々の上の高きに登山駅/大橋櫻坡子
草長けて朽ちゆく櫂や登高す/中桐晶子
俳句例:21句目~
登高の景に故山のまぎれなし/亀井糸游
手かけ岩誰も決りて登高す/中戸川朝人
一島が見ゆる高きに登りけり/能村研三
登高す有馬の赤き湯を恋ひて/岩崎照子
灘見ゆと聞けば逸りて登高す/皆吉爽雨
訪ね来て祖の捨山に登高す/赤松けい子
亡びたる城の高きに登りけり/有馬朗人
島山に四囲の島恋ひ登高す/赤松けい子
墓守と共に高きへ登りけり/波多野爽波
登高のさらに神話の磐に立つ/河野頼人
登高者の背に影きざむ霜日和/石原八束
存命を謝して高きに登りけり/和田春雷
一の鳥居くぐれば山気登高す/穂坂日出子
一念三千憶ひ高きに登りけり/阿波野青畝
下りくるは信貴の僧のみ登高す/亀井糸游
登高といひて万里の一里ほど/上田日差子
登高すヘツセの一書ふところに/安立公彦
けふの日の高きに登り虚子思ふ/山口青邨
登高や光れる言葉はじけ合ひ/徳永山冬子
登高や浪ゆたかなる瀬戸晴れて/村山古郷
俳句例:41句目~
登高のみちにけものをまつる里/中浜菌芽
石の鳥居くぐり高きに登るべく/田村了咲
砂利山を高きへ登るこころかな/草間時彦
礎石やや高きにあれば登りけり/向野楠葉
行く道のままに高きに登りけり/富安風生
わが町の見ゆる高きに登りけり/塚月凡太
病みがちの高きに登る夢もなし/石川桂郎
素わらじの登高野辺の送りなる/赤松けい子
天下茶屋の雲の高きに登りけり/上田五千石
仏母の名呼びて高きに登るべし/阿波野青畝
登高やにはとりに会ひ馬に会ひ/岩淵喜代子
中学生も蹤きぬ高きに登るとて/星野麦丘人
登高の案山子連るるにしたがへる/亀井糸游
登高ののぼりつめればラーメン屋/大野朱香
高きに登り有らぬ声して吼えてみる/大口公恵
高きに登る卑弥呼色白なりと思ふ/成瀬桜桃子