「巣箱」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「巣箱」について
【表記】巣箱
【読み方】すばこ
【ローマ字読み】subako
子季語・関連季語・傍題・類語など
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季節による分類
・「す」で始まる春の季語
・「春の動物」を表す季語
・「三春」に分類される季語
月ごとの分類
巣箱を含む俳句例
鰯雲巣箱に暗き穴ひとつ/飯田龍太
冬麗巣箱は天に近き家/一志貴美子
巣箱懸け穂高赤松天然林/高澤良一
裏山に巣箱を掛けて卒業す/原口洋子
晩秋を巣箱担いで男来る/吉田さかえ
木の瘤に巣箱明るく黄葉期/相沢静思
泉から巣箱が三つ見えにけり/大串章
白樺の巣箱傾き冬に入る/柳沢たみ子
分校は大きな巣箱小鳥来る/茨木和生
秋めくや巣箱を歩く鳥の音/横山利子
橡の花巣箱に円き闇ありて/荒井民子
穴ひとつ巣箱の口も靴下も/櫂未知子
廃校に残す巣箱や柿若葉/富田くにを
蜂巣箱水平に置く尾花晴れ/松山足羽
国分寺跡に巣箱の縛らるる/大石雄鬼
落葉松に巣箱秋気が湖からも/河野南畦
落葉松の巣箱に湖光明滅す/川島彷徨子
からつぽの巣箱に届く祭笛/徳田すゞ江
白神の土産の手造り巣箱かな/高澤良一
落葉松の高き巣箱に初しぐれ/飯田蛇笏
俳句例:21句目~
青孕む巣箱や舟を折つてゐる/栗林千津
むささびの顔現れし巣箱かな/上村佳与
覗きたきものに巣箱と脳の中/成田清子
一巣箱バードウィーク始まりし/森田峠
木がくれの斯かる処に巣箱あり/菅裸馬
かたむきしまゝの巣箱や抱卵季/島崎秀風
面取りをして巣箱窓できあがる/辻美奈子
風の向き日の向き言ひて巣箱掛/堀野信子
子が懸けし巣箱の高さかと思ふ/藤原涼下
完璧が過ぎて巣箱に鳥寄らず/折原あきの
巣箱かけて少年夕日まみれなり/増永安子
巣箱に手突つこむ女ありにけり/櫂未知子
巣箱吊るいづこも入居募集中/嶋田すみれ
琥珀の蜜満ちゐむ巣箱音もなく/内藤吐天
梅雨の雷とどろき巣箱明滅す/石田あき子
新しきもの巣箱の他にはなし/加倉井秋を
掛けてある巣箱も檜膚葺にして/清崎敏郎
蜂飼ひの素手もて巣箱運びたる/小松市子
巣箱までとどきし蔦やいわし雲/大島民郎
諸悪莫作なぞと巣箱の小がらかな/中勘助
俳句例:41句目~
このあたり巣箱多しとキヤンプ張る/森田峠
愛鳥日巣箱かゝりあひなく過ぎし/福岡南鄰
空巣箱さくらさくらにかこまれて/香西照雄
ひなの待つテラスの前の巣箱かな/今川かつ子
蜜蜂の出で入り出で入る巣箱古り/松本たかし
ボーイスカウト人梯子して巣箱懸く/相澤清彦
日暮れたる巣箱の穴を見て過ぎぬ/藤田あけ烏
みどりの日巣箱は雨に濡れどほし/細谷てる子
巣箱ありみどりさす手をかざしつつ/草間時彦
うらゝかや巣箱に鴛鴦の孵すてふ/松根東洋城
そこいらに来てゐて巣箱うかがへる/平岡喜久子
巣箱かかるどの木も落葉あつく敷く/川島彷徨子