季語/添水(そうず)を使った俳句

「添水」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「添水」について

【表記】添水

【読み方】そうず

【ローマ字読み】sozu

子季語・関連季語・傍題・類語など

・僧都(そうず:souzu)

・ばったんこ(ばったんこ:battanko)

・ばった(ばった:batta_)

・山田の僧都(やまどのそうず:yamadonosozu)

・唐臼(からうす:karausu)

・兎鼓(うさぎつづみ:usagitsuzumi)

季節による分類

・「そ」で始まる秋の季語

・「秋の生活」を表す季語

・「三秋」に分類される季語

月ごとの分類

8月の季語

9月の季語

10月の季語

添水を含む俳句例

幻の添水見えける茂りかな/泉鏡花

身を空に心空にと添水哉/川崎展宏

赤松に添水の音や朗たり朗/辻桃子

剃刀の思ひ出話添水鳴る/石川桂郎

月細うこぼし減して添水かな/蓼太

添水鳴る一言主は醜の神/越智/郁

添水鳴り円空彫の鬼が哭く/赤松子

添水見てひとり千早へ志す/下村槐太

ある寺の添水の音を今思ふ/富安風生

鶴舞ひて添水塙に音こもる/下村槐太

闇ふかく添水は己が音を待つ/有働亨

添水樋に沈む紅葉の鋭さよ/細見綾子

詩仙堂花なき庭の添水かな/貞永金市

石庭の黙のいよいよ遠添水/亀井糸游

月明の添水なりしが曉の雨/吉野義子

添水鳴る月のでばなの櫟山/石川桂郎

洛北の寺に音ある添水かな/山田弘子

添水闇小石が石に育つとき/丸山海道

収穫の薄明りさす添水かな/飯田蛇笏

鳥の影急にふえたる添水かな/田中裕明

俳句例:21句目~

平家村昼ふかく来て添水聴く/高井北杜

添水鳴るたびに驚く穂草あり/山田弘子

添水二音一音寒くしたがへり/吉野義子

添水打つ度に明月震へけり/岸部秋燈子

添水聴く宮城道雄も居て今宵/竹尾夜畔

添水鳴る音の虜となりてゐし/稲吉楠甫

白昼を京のかすみて添水鳴る/飯田蛇笏

立されば五歩に声ある添水哉/高井几董

一叢の木賊の濡るゝ添水かな/広沢米城

丈山忌添水の竹も替へてあり/野村泊月

竹の音石の音とも添水鳴る/粟津松彩子

老尼病む庭の添水の音止めて/浅井素栄

通夜の窓ことり~と添水かな/内藤鳴雪

闇中に声あるものは添水かな/山中北渚

風雨やむ寺山うらの添水かな/飯田蛇笏

あぢきなき果を添水のこほり哉/松岡青蘿

水引草刎ねてはあがる添水かな/西本一都

朝雲の後かたもなき添水かな/晏梛みや子

いねがてや添水の鳴つて蔵戸前/石川桂郎

水垢の厚くなりたるばつたんこ/藤勢津子

俳句例:41句目~

添水よりも薪割る音の詩仙堂/米澤吾亦紅

たづねきて添水の音も情あり/波多野爽波

ふるさとや添水かけたる道の端/吉田冬葉

ランプ幾つ白秋生家添水鳴る/門脇美智子

尼君の機嫌よければ添水また/島田みつ子

三千院の裏の添水やとめてある/高濱年尾

掛け替えて大きな音の添水かな/長谷川櫂

添水鳴り景色整へをりにけり/吉岡みよの

ばつたんこしじまを刻む森の闇/山田弘子

ばつたんこ何を威すとなけれども/瀧春一

ばつたんこ水の重さを響かせる/山下美典

ぬるむ水添水にいたり澄みにけり/下村槐太

添水鳴る遠ざかり来てあきらかに/清崎敏郎

添水にも黄を散らしけり石蕗の花/今泉貞鳳

旅にかなしき女の寝息添水の音/加藤知世子

静けさのきはまって鳴る添水かな/沢村越石

見えてゐて添水の音の聞えけり/松尾いはほ

敷きくれし円座つめたき添水かな/荒木法子

擬宝珠の葉を擦りて鳴る添水かな/京極杞陽

山水の尽くることなき添水かな/山崎一之助

俳句例:61句目~

添水鳴ると気のつきしより添水鳴る/西山誠

木の葉雨添水の声も寂にけり/菅原師竹句集

あれ聞けと尼のかけたる添水かな/前川舟居

三つありて一つ用なき添水かな/河東碧梧桐

佗音寂音の添水未明の止観組む/加藤知世子

ばつたんこ水余さずに吐きにけり/茨木和生

京鹿の子咲くと添水のはずみけり/佐野青陽人

いつ絶えし牧とも知らず鳴る添水/大須賀乙字

山の田の垣根刈りある添水かな/菅原師竹句集

ぎいと鳴る三つの添水の遅速かな/河東碧梧桐

温泉の里の捨湯も落ちて添水かな/河東碧梧桐

添水かけて木々からび行く響かな/大須賀乙字

いまに鳴る添水を待つてゐるしじま/三須虹秋

二つ目を聞けばたしかにばつたんこ/茨木和生

添水いま一つ鳴りたるばかりなり/佐藤亜矢子