俳句例:201句目~
古書店や老いつどうかに敗戦日/諸角せつ子
八月十五日春画上半の映画ビラ/中村草田男
ピースからホープに替えて終戦日/高澤良一
妻と十九年目の熊蝉を聴く敗戦忌/橋本夢道
朱線の書わが二十歳なる敗戦日/倉林ひでを
臼が出てきてそれからそれへ敗戦日/松山足羽
やや老いての胃の飢え清ら敗戦日/伊丹三樹彦
終戦記念日ビルヘ出前のそばすゝる/島田不拘
八月十五日海老ふかぶかと腰をまげ/大木あまり
僕たちの終戦記念日下さい少年真夏日/中塚唯人
折れ落ちつつ小滝のいちづさ敗戦忌/鍵和田ゆう子
戦ひを終生にくみてをりし父八月十五日早朝に死す/外塚喬
戦争を知らぬ生徒と黙祷す八月十五日正午に立ちて/市村八州彦