俳句例:201句目~
はつなつの砂場のままごと遊びかな/高澤良一
木天蓼初夏真蛇さすらいやまぬかな/金子兜太
マチスの朱身に欲り初夏の風の中/上野さち子
はつなつの鳶をしづかな鳥とおもふ/神尾久美子
初夏長江鱶などはぼうふらより小さい/金子兜太
はつなつのひとさしゆびをもちゐんか/三橋敏雄
とうすみ蜻蛉かくれし初夏の杉菜かな/中島月笠
初夏だ初夏だ郵便夫にビールのませた/北原白秋
風おこる雲ひらひらと夏はじめ/飛鳥田れい無公
暮春首夏まだげんげ田の残りけり/久保田万太郎
初夏の大きくてさびしいオムレツつくる/飯島晴子
「飴玉天使」をほほばる首夏の踏切番/磯貝碧蹄館
一と口頬張つて初夏をながめまわすも/冬の土宮林菫哉
初夏の大日のぼりて来にけり雀ととんび/冬の土宮林菫哉
初夏の埃の中の祭の列みどりくれなゐゆるがして行く/尾上柴舟
ブラウスの中まで明るき初夏の陽にけぶれるごときわが乳房あり/河野裕子