「白絣」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「白絣」について
【表記】白絣
【読み方】しろがすり
【ローマ字読み】shirogasuri
子季語・関連季語・傍題・類語など
・白地(しろじ:shiroji)
・白飛白(しろがすり:shirogasuri_)
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季節による分類
・「し」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
白絣を含む俳句例
白絣後姿の父に似て/竹内鈴子
飯強し母の着給ふ白絣/桂信子
白絣荒波とほく闘へる/桂信子
少年に母の面影白絣/長谷川櫂
逗子開成一年生や白絣/長谷川櫂
職退いて痩躯養ふ白絣/近藤一鴻
白絣てふ風韻に託すも/坂巻純子
稽古場の役者一様白絣/片岡我当
水音は遥かを急ぎ白絣/綾部仁喜
波音を懐に入れ白絣/古賀まり子
白絣人の匂ひも潮の香も/高橋将夫
雨の夜の齢静かに白絣/町田しげき
詫び状は達筆なりし白絣/赤尾恵以
色褪せし我が青春の白絣/田中義孝
昔男にふところありぬ白絣/岡本眸
端居して旅の借着の白絣/加藤秋邨
右の手の少しく長し白絣/長谷川櫂
東京に来て汗ばめる白絣/細見綾子
夢の端に拘つてゐる白絣/根岸善雄
正直も短所のひとつ白絣/入谷和子
俳句例:21句目~
白絣遠くの山の道が見え/齋藤愼爾
山川に別れるための白絣/齋藤愼爾
待つてろと男の弔辞白絣/歌津紘子
白絣着て飛の眼のごとし/飯田龍太
日に夜に末路のやうな白絣/斎藤玄
父に似ぬ学究にして白絣/和田祥子
白絣銀のごとく着てをれり/火村卓造
納屋までの往き来に母の白絣/桂信子
亡き父の背を想ひ出す白絣/佐藤良子
吉報や折目のつよき白絣/宇多喜代子
夫よもう世を急がずや白絣/三橋迪子
少しずつ涙にじんで白絣/田中みち代
怒るとき生あざやかに白絣/鷹羽狩行
濁りこそ川のちからや白絣/宮坂静生
炎の龍子露の茅舎や白絣/大石香代子
やや冷えて定家忌までの白絣/森澄雄
白絣ははもこころをかけし草/上村占
白絣合槌を打ち聞いてゐず/中村苑子
白絣水の話を聴きにゆく/宇多喜代子
白絣部屋のまんなか通りけり/桂信子
俳句例:41句目~
いくらかは僧形に似む白絣/能村登四郎
おとなびてよき兄となり白絣/長谷川櫂
白絣勘気の面にふれし日の/藤井寿江子
来し方のよく見ゆる日の白絣/綾部仁喜
明け暮れを山見てすごす白絣/菊地一雄
白絣きえたりしかば雨後の古葉/中田剛
白絣生きてこの世で擦れ違ひ/長谷川櫂
白絣着て思想家のごとくをり/長谷川櫂
白絣着て海彦を待つごとし/神尾久美子
白絣着て身の老を深くする/能村登四郎
擬宝珠またかざせる花に白絣/中村汀女
白絣ほかには誰も着てをらず/下村槐太
亡き妻のたたみしままや白絣/小早川恒
晩景に逢ふたのしさの白絣/能村登四郎
ものごとに四肢聡くなる白絣/根岸善雄
もてなしの聞香に座す白絣/中戸川朝人
ひとり身は老も恋めく白絣/能村登四郎
隠れなき身過ぎ世すぎや白絣/浦亀甲子
露に入るしんがりとして白絣/齋藤愼爾
顔変りしたるおもひの白絣/上田五千石
俳句例:61句目~
さよならは常にもがもな白絣/石原八束
白絣書生は死語となりにけり/越智/協子
白絣無器用に着て威張りをり/猪俣千代子
夜がはじまる長き橋ゆく白絣/櫛原希伊子
致仕の身に雨いさぎよし白絣/町田しげき
まなざしの父となりゆく白絣/北見さとる
とほくきく汽笛はよけれ白絣/神尾久美子
白絣ひと生のはたて見えてきし/ほんだゆき
黄泉の子もうつせみの子も白絣/能村登四郎
妻なしに似て四十なる白絣/石橋秀野「桜濃く」
子に着せし曾ては夫の白絣/高根照子「ティー/エンジェル」