「新米」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「新米」について
【表記】新米
【読み方】しんまい
【ローマ字読み】shimmai
子季語・関連季語・傍題・類語など
・今年米(ことしまい:kotoshimai)
・早稲の飯(わせのめし:wasenomeshi)
・古米(こまい:komai)
・古古米(ここまい:kokomai)
・新糯(しんもち:shimmochi)
・新糠(しんぬか:shinnuka)
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季節による分類
・「し」で始まる秋の季語
・「秋の生活」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
新米を含む俳句例
新米の膳に居るや先祖並み/一茶
新米の俵も青き貢かな/内藤鳴雪
新米の坂田は早しもがみ河/蕪村
新米の粒々青味わたりけり/耕二
新米の其一粒の光かな/高濱虚子
新米にまだ草の実の匂ひ哉/蕪村
新米を炊く古釜の蓋そびえ/爽雨
早稲の飯はや焚立つる夕烟/乙州
鉢の子に煮立つ粥や今年米/太祇
熊野路や三日の粮の今年米/蕪村
入植の苦節十年今年米/中村丈岳
鳶の下にて新米を運び出す/直人
新米出づ職場結婚多き月/川村紫陽
新米の匂ふ帰国の機内食/内藤康子
新米を舁き来る声や講襷/白井香甫
新米を紅絹の袋に神集/遠所るり実
新米や塩打つて焼くの味/井上井月
新米や大釜だきの武州米/木津柳芽
新米や瓦硯をとりいだし/野村喜舟
新米のもたるゝ腹や穀潰し/炭太祇
俳句例:21句目~
新米もまだ艸の実の匂ひかな/蕪村
新米を燈下に検すたなごゝろ/正雄
新米を大きく握り少年に/文挟綾子
新米に葉唐辛子を目分量/高澤良一
新米を河の東に運びけり/子規句集
馬渡す舟にこぼるゝや今年米/几董
新米や葛飾早稲の妻の里/小杉余子
美しき俵となりぬ今年米/遠藤韮城
新米や父母すでに耕さず/広瀬邦弘
新米のくびれも深き俵かな/浅井啼
新米を炊ぎて祝ふ鍬仕舞/片山季山
一つまみ新米あげし祠かな/たけし
新米の俵締むれば直立す/宇治春壺
赤飯に新米とある婚の宴/飯田弘子
新米を炊き上ぐ朝の電子音/羽吹利夫
新米を積むあれの牛これの牛/みづほ
つみあげし新米俵夜も匂ふ/井桁蒼水
どうあろと先新米ぞうまし国/炭太祇
新米を運ぶ田舟を洗ひけり/熊田鹿石
新米を量る平にこぼしつつ/保坂リエ
俳句例:41句目~
新米を食うて養ふ和魂かな/村上鬼城
山家にて喰ふ上に早稲の飯/向井去来
神棚へまづ新米の一と握り/羽吹利夫
峡深き田の新米をもてなさる/瀧春一
帰省せし顔新米の湯気の中/井沢正江
てのひらに満ち来る光今年米/志城柏
一俵は仔馬につけぬ今年米/吉田冬葉
今年米さらさらと箕を走りけり/塵外
今年米詰めて俵の下ぶくれ/大熊輝一
新米のまことに白し有難し/岸風三樓
新婚を招きもてなす今年米/西浦一滴
父祖の地の年貢十俵今年米/木島斗川
新米に一升枡の罷り出る/渡辺ユキ子
白鳥へ空あけてあり今年米/遠藤秀子
野沢菜の届きぬ炊けよ今年米/秋櫻子
新米のしるしに越の紅の札/斉藤夏風
新米のレッテル光る配達車/西村美枝
新米の一俵とどき忌を修す/黒岩英子
新米の二十駄ばかり城下口/正岡子規
新米の仏飯高く盛りにけり/廣瀬凡石
俳句例:61句目~
新米の艶盛りあがる京茶碗/立花豊子
新米の荷をとく膝を揃へけり/井上雪
新米の袋の口をのぞきけり/綾部仁喜
新米や十勝は水のうまき国/伊藤敬子
新米や国太平に父母は無事/飯原翠竹
新米や土佐はよい国二番稲/浜田波静
新米や家の框の今日のもの/尾崎迷堂
新米や百の倉の戸みな開く/仲田やゑ
新米や竹ならぬなき器もの/石川桂郎
新米をこぼしうつむく風の昼/桂信子
新米を入れて報恩袋かな/松尾/久子
新米を入れ置く蔵に風通す/山本文枝
指にもむのみ新米の磨ぎ汁よ/石川桂郎
碓やしらげこぼせる今年米/阿波野青畝
浮雲のごと新米を炊きあげし/藤岡筑邨
新米の立ち上りたる袋かな/落合美佐子
食思なき吾に見舞の今年米/塩谷はつ枝
新米に貧しき舌となりしはや/石塚友二
安否問ふごと新米の届きけり/成田清子
手を置けば新米ひたと手を圧す/原田喬
俳句例:81句目~
新米や古りゆくものに臼と僕/松藤夏山
新米といふよろこびのかすかなり/龍太
新米といへ一合を炊けば足り/池田秀水
新米と貼りある店の今日休み/坊城中子
今年米鼻黒くして覗きあふ/松倉ゆずる
米櫃を干して新米満しけり/加藤あき江
新米に置きたる指の沈みけり/斎藤徳治
こぼれしか車のあとの今年米/正岡子規
新米やミルクのやうなとぎ汁も/辻桃子
新米を炊くにも妻の声はづみ/福永耕二
田の匂ひ微塵もあらず新米よ/大熊輝一
新米を分ちて恩をひとつ返す/影島智子
新米のつめたさを掌より流す/川本臥風
新米の倉を灯してゐたりけり/斉藤夏風
新米やわが家の農に幸あれと/沢村白葉
新米やその後の戦果起るかに/渡邊水巴
新米食む神の如くに父老いて/高橋悦男
旅人の行くや新米咬みなから/尾崎紅葉
病む母の粥にまづ炊く今年米/根岸善雄
昧爽に新米着きて積まれあり/久米正雄