俳句例:101句目~
扇風器嘘と知りつゝうべなふも/玉野文蔵
生き方の迷ひどほしや扇風機/宍戸富美子
扇風機の羽根透き遠嶺ゆらぐなり/松田多朗
扇風機の風が洩れなく来るやうに/高澤良一
扇風機まはり澄みをり音もなく/横江几絵子
扇風機まはれる茶の間ぬけにけり/芝不器男
誰もゐない部屋で扇風機がまはる/藤岡筑邨
扇風機死者はゆつくり休みをり/円城寺/龍
一人居の背の扇風器の風おそろし/内藤吐天
扇風機われにとどかず見てをりぬ/上野章子
「太陽にほえろ!」に残る扇風機/櫂未知子
扇風機いひたきことをいはでをり/富岡子笏
待ち入る目に人も待つあり扇風器/石塚友二
扇風機止めれば雨の音のまた/久保田万太郎
扇風機とともに隅の方に居りぬ/加倉井秋を
扇風機に似てくる骨だらけの裸身/高澤良一
扇風機あっちを向いて停まりけり/島田六嶺夫
マニキュアの指を扇風機にかざす/深見/道子
こわれてもあてにしている扇風機/南部さやか
面接試験の扇風機として風とどかず/宮坂静生