俳句例:101句目~
じんべい鮫ゆらり畳を拭く日なり/中北綾子
春吹雪鮫は生き身のままからぶ/加藤知世子
壱岐も対馬も鰐鮫の背も淡雪せり/高柳重信
君もぼくも暮春の鱶のように寝る/坪内稔典
追羽子に舁きゆく鮫の潮垂りぬ/水原秋桜子
まぼろしの鱶が書斎を出てゆかぬ/池田澄子
或る日老たり遠見の鱶に陽は遊び/折笠美秋
蒲公英や鮫あげられて横たはる/水原秋桜子
明日を恃み鮫獲り船の出でゆかす/村上しゆら
極寒期うまの合ひたる鮫とウクレレ/栗林千津
あふむけの鮫の子息をしてゐたり/大木あまり
鮫ばかり獲れつつ波頭しぶくなり/岡野風痕子
或る日老いたり遠見の鱶に陽は遊び/折笠美秋
初夏長江鱶などはぼうふらより小さい/金子兜太
鱶を飼うコーヒーいつも胃に溜まり/八木三日女