「立春」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「立春」について
【表記】立春
【読み方】りっしゅん
【ローマ字読み】risshun
子季語・関連季語・傍題・類語など
・春立つ(はるたつ:harutatsu)
・春来る(はるくる:harukuru)
・春さる(はるさる:harusaru)
・立春大吉(りっしゅんだいきち:risshundaikichi)
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季節による分類
・「り」で始まる春の季語
・「春の時候」を表す季語
・「初春」に分類される季語
月ごとの分類
立春を含む俳句例
春立や四十三年人の飯/一茶
年寄れど娘は娘父の春/立子
春立や弥太良改一茶坊/一茶
春立や新年ふるき米五升/芭蕉
立春の間近き室戸岬かな/龍太
春立つは衣の棚の霞かな/貞徳
山鴉春立つ空に乱れけり/百間
点るごと立春の豆石の上/原裕
立春や傀儡人形愁嘆場/辻桃子
卵一つ立春の藪動乱す/原田喬
立春や月の兎は耳立てゝ/星野椿
春立つや新年ふるき米五升/芭蕉
立春の現に吾妹観世音/下村槐太
立春大吉朱ヶの大木魚/河野静雲
立春の窖出づる窩主買/西島麦南
春立つや一生涯の女運/加藤郁乎
魚Bの12を買う立春/坪内稔典
春立や菰もかぶらず五十年/一茶
門々の下駄の泥より春立ぬ/一茶
立春の日の輪月の輪雲の中/宋淵
俳句例:21句目~
春立や見古したれど筑波山/一茶
春立や二軒つなぎの片住居/一茶
立春の風ひそみけり低叢に/岸田稚
落葉焚いて春立つ庭や知恩院/虚子
立春満喫茶一服や樓眺/松根東洋城
金泥の無地の衝立春寒し/松藤夏山
かかる夜の雨に春立つ谷明り/石鼎
立春の雪の深さよ手鞠唄/石橋秀野
雪国の春来て乾く桑の土/松村蒼石
立春の半島へ発つ踊子号/高澤良一
霜除のほう鬆と春立ちにけり/茅舎
立春を五分遅らす長電話/有馬英子
立春や香煙とゞく絵天井/野村喜舟
揚幕の朱色結紐春立ちぬ/都筑智子
立春や野に立つ棒を水つたひ/苑子
むらぎもの心に遠く春立ちぬ/林火
春が来て電柱の体鳴りこもる/三鬼
立春や耕人になく廬の犢/飯田蛇笏
春の夜や瓢なでても人の来る/一茶
立春や縦横に散る雀どち/小池文子
俳句例:41句目~
目刺の背青し立春という一語/雅人
立春の雨美しき並木かな/薗田秀子
立春の八百万神覚ます風/高澤良一
春来つゝ大き金星胸の前/岸風三樓
立春や梵鐘へ貼る札の数/飯田蛇笏
春来とも友達言葉の友失ふ/及川貞
春立といふより見ゆる壁の穴/一茶
立春や日表を踏む古き縁/小澤碧童
立春の蛇口全開菜を洗ふ/半田順子
七輪の口が真赤に春来る/河野静雲
礁に焚く芥の炎春立つ夕/松村蒼石
立春の佛蘭西麺麭の虚かな/小澤實
立春の米屋の米の山と川/辻田克巳
立春の上御一人に脱帽す/渡邊水巴
立春の篁の穂の南駒ケ嶽/木村蕪城
春立ちて三日嵐に鉄を鋳る/草田男
立春の白身の魚うす塩に/平井照敏
勾玉のはだらの青に春立ちぬ/龍男
楢山の風紅いろに春立ちぬ/岸田稚
立春や人太陽系に住めり/斎藤空華
俳句例:61句目~
立春の海よりの風海見えず/桂信子
立春や焼印確と工具箱/小野田明子
立春の水仏壇にこぼれけり/原田喬
春立つや六枚屏風六歌仙/高浜虚子
春立つや四十三年人の飯/小林一茶
立春の昼月繊き池浚ふ/加倉井秋を
汚れなき立春までの掛暦/手塚美佐
春立つや暦に赤き日曜日/吉屋信子
大内山立春の雨御空より/渡邊水巴
春立つや月眉形と見たるより/綾子
大法鼓鼕々立春大吉と/真下喜太郎
春立つや雪嶺はまだ夢の白/大串章
立春の大き月あげ田端駅/館岡沙緻
春立や愚の上に又愚にかへる/一茶
立春の夢に刃物の林立す/柿本多映
草稿に朱筆一点春立てり/加藤耕子
春立や星の中から松の色/上島鬼貫
小祠の切子硝子や春立てる/辻桃子
立春の鳶しばしあり殿づくり/青畝
ほうぼうを提げ立春の畦通る/中拓夫
俳句例:81句目~
糸尻を切つて即ち春立てり/伊藤敬子
立春大吉遠浪のちらちらす/臼田亜浪
かもめ舞う立春の空耀えり/青木規子
かゝる夜の雨に春立つ谷明り/原石鼎
立春大吉朝刊にわが名あり/山田弘子
立春の園芸店は旗立てて/佐々木平一
立春や雪踏み通ふ月明り/金尾梅の門
眼帯の内側にいて春立ちぬ/森田智子
をみならに春立ち急ぐ飾窓/林原耒井
立春や目の前に階段のあり/佐藤和枝
立春や百姓詣る三輪の神/五十嵐播水
立春や流されてくる島の声/清水径子
立春や昨日のままの薄氷/殿村菟絲子
立春の卵に尖る箸ならぶ/百合山羽公
立春や戦捷の書肆人あふれ/渡邊水巴
立春や己励ます声掛けて/冨田みのる
立春や寝ね覆はるる酒の酔/三橋敏雄
立春や娘の膝まろき夜の畳/畠山譲二
人中に春立つ金髪乙女ゆき/野沢節子
休耕田春来る水の音ひびく/町田敏子