「冷蔵庫」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「冷蔵庫」について
【表記】冷蔵庫
【読み方】れいぞうこ
【ローマ字読み】reizoko
子季語・関連季語・傍題・類語など
・電気冷蔵庫(でんきれいぞうこ:denkireizoko)
・氷冷蔵庫(こおりれいぞうこ:korireizoko)
・ガス冷蔵庫(がすれいぞうこ:gasureizoko)
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季節による分類
・「れ」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
冷蔵庫を含む俳句例
冷蔵庫だけが震動家の奥/関まり
厨にも曲り角あり冷蔵庫/宮脇満
冷蔵庫又開ける音春休み/稲畑汀子
冷蔵庫骨正月の音かろし/小宅光子
元日の開くと灯る冷蔵庫/池田澄子
氷入れ旧物量の冷蔵庫/百合山羽公
浜田庄司旧居の巨き冷蔵庫/辻桃子
春昼や突然目覚む冷蔵庫/浜本直子
旱星海のむこうに冷蔵庫/寺澤一雄
冷蔵庫に潮騒のあり谺あり/工藤克巳
おんな晴々と冷蔵庫開放す/伊藤完吾
妻留守の伝言貼りし冷蔵庫/徳丸峻二
巨大なる冷蔵庫据ゑ老人寮/澤井我来
冷蔵庫廚に月の影ありぬ/大橋越央子
とく~と冷蔵庫据ゑ老納所/河野静雲
母かなし眼薬冷やす冷蔵庫/片山楸江
水の匂いの冷蔵庫より羽音/中田美子
冷蔵庫司厨の帽は横かぶり/日野草城
美術館閉鎖して美の冷蔵庫/三好潤子
冷蔵庫老妻の丈あはれ越す/皆吉爽雨
俳句例:21句目~
冷房に開きて閉ぢし冷蔵庫/後藤夜半
冷蔵庫食指を誘ふものさがす/及川貞
冷蔵庫深夜に戻りきて開く/辻田克巳
冷蔵庫明けて思案の夕支度/鈴村寿満
冷蔵庫など備ふるも後れ勝/石塚友二
冷蔵庫音の微かに妻の留守/中山允晴
妻留守に夫慣れてきて冷蔵庫/寺岡捷子
出棺のごとくに冷蔵庫を運ぶ/鈴木一行
ひとり居の聞けば灯る冷蔵庫/池田秀水
冷蔵庫開くに何かひらめけり/佐藤母杖
わがためのもの奥にあり冷蔵庫/森田峠
冷蔵庫風邪おびやかす充電音/河野南畦
患者等のわれらが宝庫冷蔵庫/高澤良一
旅発つや冷蔵庫を空にして/鈴木とみ子
三日ほど一人にされし冷蔵庫/鈴木鷹夫
ランドセルおきて直進冷蔵庫/高野瀧子
桃トマト小冷蔵庫なれど冷ゆ/日野草城
死ぬるまで付き合ふ薬冷蔵庫/水口/祭
冷蔵庫にいつも卵のある不安/前田典子
冷蔵庫寂しい父が開けてをり/三沢容一
俳句例:41句目~
冷蔵庫開けて孤独をまのあたり/風間圭
冷蔵庫の悪霊を呼ぶ父なき日/寺山修司
妻留守の冷蔵庫さて何も無し/岡本圭岳
貧厨にドカと位す冷蔵庫/竹下しづの女
金塊のごとくバタあり冷蔵庫/吉屋信子
音絶えず眠れざる夜の冷蔵庫/青木綾子
食べごろの桃に冷蔵庫が唸る/鈴木鷹夫
冷蔵庫厨は瓦斯の火を焚けり/山口波津女
冷蔵庫収れて氷塊過不足なし/軽部烏頭子
冷蔵庫淋しいときは開けてみる/六車淳子
黙し合うときに唸りて冷蔵庫/山崎喜八郎
冷蔵庫開けにゆく子の持つ期待/福井圭児
うなりつつ真夜の佳境の冷蔵庫/能村研三
妻留守の客に開け見る冷蔵庫/河合いづみ
それからの出て来る夜の冷蔵庫/槻木珠美
ただいまの声と開きぬ冷蔵庫/永井たえこ
扉をあけて青赤のもの冷蔵庫/山口波津女
るいるいと肉ある深夜の冷蔵庫/江里昭彦
スペースをづらして作る冷蔵庫/高澤良一
予感する山のあなたの冷蔵庫/小泉飛鳥雄
俳句例:61句目~
書き置きのメモにて開く冷蔵庫/右城暮石
今日のタネは鰺ばかり大冷蔵庫/深田久彌
梅噛んでがつしと閉める冷蔵庫/平畑静塔
冷蔵庫しきりにひらき事たのし/石田波郷
冷蔵庫じいんじいんと淋しかり/和田浩一
冷蔵庫と真夜の孤独を共にせり/熊谷愛子
冷蔵庫のうしろ白鳥二羽三羽/高野ムツオ
冷蔵庫のぞける夫をかいま見し/真鍋和子
海底より寒しや冷蔵庫のなまこ/品川鈴子
置き書きのメモにて開く冷蔵庫/右城暮石
冷蔵庫の未明の音や梅雨ふかく/行方克巳
冷蔵庫ひらく妻子のものばかり/辻田克巳
冷蔵庫留守重ぬればよそよそし/中村汀女
開け閉てに妙な音する冷蔵庫/宇多喜代子
冷蔵庫みんな入院してしまふ/鈴木きみえ
冷蔵庫もつともけぶるもの掴む/井沢正江
飲みものが又からつぽに冷蔵庫/稲畑汀子
欲しきときトマトのありて冷蔵庫/下村非文
すばやき手入りてひつこみ冷蔵庫/大橋敦子
夜更けとは開けて閉めたる冷蔵庫/永井龍男
俳句例:81句目~
しっぽまで夕日押し込む冷蔵庫/岸本マチ子
冷蔵庫西瓜もつともなまぐさし/山田みづえ
虹消えて冷蔵庫など開けてみる/高野ムツオ
冷蔵庫に西瓜入れあるぞと出掛け/高澤良一
冷蔵庫に冷えゆく愛のトマトかな/寺山修司
雨冷えのくらがり鳴りだす冷蔵庫/西垣/脩
冷蔵庫にフランスの水と灘の酒/池田琴線女
鯛入れて他はとりいだす冷蔵庫/水原秋桜子
猫が見ていて閉じられし冷蔵庫/大山安太郎
ぬれし手のとびらをあくる冷蔵庫/山口波津女
女ひとりの自活に小さき冷蔵庫/瀧春一「燭」
冷蔵庫ひらけばはたはたとびにけり/岸本尚毅
冷蔵庫豪雨にはかにいたりけり/久保田万太郎
冷蔵庫が泣いている四畳半の未亡人/藤田踏青
冷蔵庫あけてまづとりいだすもの/久保田万太郎
君の冷蔵庫に鰾は眠れり/開けば/海/折笠美秋
夜の冷蔵庫開けるな海があふれ出す/高野ムツオ
ぶるうんと始動し真夜の冷蔵庫/仁尾正文「山泉」
冷蔵庫の氷も痩せこけて夜のお客さま/内藤寸栗子
ごちやごちやとまたごちやごちやと冷蔵庫/石塚友二