俳句例:101句目~
プール捲き花壇をつつみ芝みどり/川島彷徨子
プール開きあかんべえして眼の検査/玉木照子
夜のプールからだは夜の燈に濡れて/田中裕明
船の旅プールではしゃぎ夜はダンス/高澤良一
室内プール波立つ教師も母子も若く/伊丹公子
ライターをつけてプールにまだ濡れず/平畑静塔
プールより四五歩で慣れてあるきだす/大屋達治
逝く夏のプールにうかぶ水中メガネ/畠山あさみ
プールを出ず勝者と敗者手とりあふ/小川双々子
プールよりあがるぽろぽろうろことれ/今瀬剛一
夜の辻のにほひてどこかプールあり/能村登四郎
キリキリと髪結ひあげてプールの娘/矢口由起枝
乳児抱かれプールの中にあくびせる/山口波津女
プールのそばに引きずられて世紀がある/筑網敦子
いろいろな泳ぎ方してプールにひとり/波多野爽波
ピカーッと光って中学校のプールなり/橋田サカエ
夏の日ですプールの匂いの末子がかえる/伊丹公子
プール越しの佐官が揺れる微雨つづき/稲岡巳一郎
範泳あざやか行きどころなきプールの波/津田清子
断食月の終ればプールの水にさえ映らぬほどの繊き月照る/三井修
俳句例:121句目~
月しろく無人プールを照らす夜半この世の面かすか揺れゐん/小島ゆかり