「パリ祭」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「パリ祭」について
【表記】パリ祭
【読み方】ぱりさい
【ローマ字読み】parisai
子季語・関連季語・傍題・類語など
・パリー祭(ぱりーさい:pari-sai)
・巴里祭(ぱりさい:parisai_)
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季節による分類
・「は」で始まる夏の季語
・「夏の行事」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
パリ祭を含む俳句例
巴里祭厠に残る女の香/岸田稚
子の髪の藁の匂の巴里祭/齋藤玄
巴里祭雨の泊船乳色に/下村ひろし
革命も恋も遠き日巴里祭/河波青丘
手の影の皿に大きく巴里祭/桂信子
干物を男が入れる巴里祭/川崎展宏
巴里祭定番鳩の手品かな/高澤良一
脚長き黒人の影パリー祭/岩崎照子
指ふとき女薔薇売る巴里祭/高島茂
割る前の冷たき卵巴里祭/田中純子
螺旋階夜風と廻る巴里祭/伊藤京子
片言の裸子とをり巴里祭/堀口星眠
同齢の男等若きパリー祭/西村和子
電柱に手足はみ出て巴里祭/長谷川双
ゆき交へる下天の貌や巴里祭/伊藤格
長きパンに短き袋巴里祭/吉田つよし
鉛のごとき東京の屋根巴里祭/高島茂
踊さやに黄昏どきの巴里祭/小池文子
負け犬の身を細め駈く巴里祭/岸田稚
萼厚き花買ひもどる巴里祭/朝倉和江
俳句例:21句目~
救命の管のいろいろ巴里祭/高澤良一
パリー祭白靴巌の上に脱ぎ/岸風三樓
男物だぼだぼと着て巴里祭/内田美紗
夕刊が濡れて届きし巴里祭/川崎展宏
看護婦に身体拭はれ巴里祭/吉田鴻司
甘藍にてんと虫飛べり巴里祭/安住敦
病葉赤き栃の大樹や巴里祭/堀口星眠
巴里祭へ歓びつなぎ祭果つ/矢島渚男
巴里祭も開港祭も舟使ふ/中戸川朝人
放牧の牛は牛づれパリー祭/辻田克巳
翻へり乾くシーツや巴里祭/下山宏子
反核の署名終えたり巴里祭/久保砂潮
巴里祭扉軋みて雨にひらく/小池文子
汝が胸の谷間の汗や巴里祭/楠本憲吉
目をすまし乞食隠る巴里祭/小池文子
くちびるに雨ひとつぶや巴里祭/皆吉司
パリー祭帽子売場に待合はす/田中照子
パリー祭憂鬱な手紙二通書く/関森勝夫
巴里祭の日の赤銹の寄港なり/友岡子郷
巴里祭納戸に古きバスケット/鈴木黎子
俳句例:41句目~
拘りのパンの焦げ目やパリー祭/関礼子
髪を切る予約をしたり巴里祭/内田美紗
深夜放送巴里祭でありしかな/前野雅生
火を吐いてみせる男や巴里祭/有馬朗人
狐目に描くアイライン巴里祭/橋本榮治
籠の鳥高く鳴き交ふパリー祭/小林恭子
踊り痴れし暗がりの渦巴里祭/小池文子
若き日の父にもありし巴里祭/景山筍吉
驟雨に濡れをんな鼻声巴里祭/原田青児
椅子に組む脚うつくしく巴里祭/山下喜子
焼きたての麺麭の匂ひや巴里祭/廣崎龍哉
巴里祭モデルと画家の夫婦老い/中村伸郎
母と踊るうなじの二十歳巴里祭/小池文子
サンダルの革紐きつき巴里祭/磯貝碧蹄館
風通しわるきホテルや巴里祭/成瀬桜桃子
ベゴニアの花がサラダに巴里祭/いさ桜子
パン種を秘して老舖や巴里祭/下村ひろし
パリ祭妬心のいろの夕焼あり/山田ひろむ
真白なシェフのスカーフ巴里祭/菅原章風
管ぶらさげ鳴り物入りの巴里祭/高澤良一
俳句例:61句目~
濡れて来し少女が匂ふ巴里祭/能村登四郎
パリー祭靴直し屋の蝶ネクタイ/毛塚静枝
高過ぎるバーカウンター巴里祭/内田美紗
席いつもふたつづつ空く巴里祭/橋本榮治
湾の灯にほどくナプキン巴里祭/山田弘子
自家製のかりん酒琥珀に巴里祭/池田博子
薔薇を食ふ虫に毒盛る巴里祭/櫛原希伊子
ロココ美を愛せし人よパリー祭/山田弘子
金髪のたつのおとしご巴里祭/中村草田男
巴里祭のおんぼろバスの青けむり/辻田克巳
ネクタイは逆ストライプ巴里祭/和泉屋石海
巴里祭硝子器磨き寝てしまふ/鍵和田ゆう子
パリー祭逢ひて歩きて別れしのみ/辻田克巳
パリー祭ぬれ色つばめ羽づくろふ/土居伸哉
ひと刷毛のうぐひの赤さパリー祭/宮坂静生
シャツの絵の歪める時計巴里祭/中戸川朝人
スカーフのよりどりみどり巴里祭/嶋田麻紀
サーファーは陽の色パリ祭近し/一ノ瀬タカ子
貝背負つて臥すエスカルゴ巴里祭/磯貝碧蹄館
降り出せば底ぬけの夜雨巴里祭/鍵和田ゆう子
俳句例:81句目~
むかし巴里祭目くそ鼻梁に乗りあげて/竹中宏
ジャンギャバン知る人減りぬ巴里祭/岩崎照子
足の届かぬコーヒースタンド巴里祭/佐伯昭市
街はパリー祭夜のピーマンの鈴を割る/萩原洋灯