俳句例:101句目~
こぼれたるばかりと見ゆる落し文/石田郷子
名もて妻を呼びしことなし落し文/北野民夫
解きがたくして地にかへし落し文/井沢正江
落し文谷中は山内にぬける町/長谷川かな女
落し文ありころころと吹かれたる/星野立子
落し文掌にして旅愁きざしけり/米澤吾亦紅
落し文巻きの悪しきは踏まれけり/吉田未灰
雨あとの濡れてころがる落し文/小原うめ女
落し文いづれさみしき文ならむ/上田五千石
菩提樹の落し文とは読まずとも/後藤比奈夫
落し文亡夫には文を書かざりき/長谷川ユキエ
落し文もがなと身を伏す虚子の塔/阿波野青畝
ジュウスト右近布教の谿の落し文/長谷川史郊
ひよつとして罠かも知れず落し文/北見さとる
落し文この世に透けるところあり/藤田あけ烏