俳句例:101句目~
お降りに二度寝きめたる夫婦かな/藤田湘子
お降に髪をいとひて松葉掻く/長谷川零餘子
御降りや今年いかにと義父の問ふ/守屋明俊
御降りや枯れあたたかき羊歯の色/沢木欣一
お降のすぐ止むことのめでたさよ/稲畑汀子
お降りのひときわ著き志士の墓/宇多喜代子
お降りや山のうしろが消えさうに/小池一平
お降りに雨音といふもののなし/加倉井秋を
野鼠の穴をお降り濡らすほど/阿部みどり女
お降りのまつくらがりを濡らしけり/岸田稚
御降りやからくれなゐに暮れしあと/松澤昭
御降りのかそけさよ父と酒飲めば/相生垣瓜人
御降りの地にしむごとく言やさし/石田あき子
お降りや蛇の髭うつすにはたづみ/百合山羽公
お降りやたひらに減りし奈良の墨/殿村菟絲子
お降りの呟き止みて昏れにけり/阿部みどり女
御降りのまつたく雪となりにけり/久保田万太郎
お降りのかそけさ母と温泉にひたり/酒井みゆき