「熱砂」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「熱砂」について
【表記】熱砂
【読み方】ねっさ
【ローマ字読み】nessa
子季語・関連季語・傍題・類語など
・灼け砂(やけすな:yakesuna)
・砂灼くる(すなやくる:sunayakuru)
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季節による分類
・「ね」で始まる夏の季語
・「夏の地理」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
熱砂を含む俳句例
黙深く戦の島の熱砂踏む/土田桃花
大西部熱砂に蝶と人の影/仙田洋子
発掘の熱砂に転ぶ泪の壺/殿村菟絲子
渚まで熱砂跳ねゆく跣かな/高澤良一
ぐすぐすと熱砂を踏めり旅の神/原裕
荒荒と熱砂に羊皮乾きけり/小池文子
熱沙ゆく無限X駱駝の脚/小檜山繁子
人骨に似たる熱砂の枯珊瑚/秋光道女
俺に似た少年兵が熱砂ゆく/五島高資
熱砂ゆく老婆の声もせずなれり/誓子
熱沙冷え星間にの目を思ふ/小檜山繁子
骨拾ふまして熱砂ののど仏/宮本みさ子
秋暑し熱砂にひたと葉つぱ草/杉田久女
熱砂さめ寮の全灯一指で点く/友岡子郷
熱砂降る飼はれて黙す亀の上/小池文子
爆音のあと死の谷の熱砂のみ/仙田洋子
鞁置く熱砂さみしく波立たせ/対馬康子
駅馬車の道は熱砂へ還りけり/仙田洋子
あげ舟の如く熱砂に駱駝伏す/中村草田男
流木や熱砂に消ゆる河なれど/鳥居おさむ
俳句例:21句目~
漁夫の葬舟を熱砂に曳き上げて/津田清子
熱砂砂塵こころ庇ふに限りあり/小池文子
玉虫の熱沙掻きつゝ交るなり/中村草田男
熱砂ゆく捨て猫と化し街に出る/対馬康子
羊の血熱砂流るるまでもなく/中戸川朝人
熱砂ゆくなほ白靴を捨てきれず/野澤節子
蛾を食みし蜥蜴熱砂に口拭ふ/佐野青陽人
踏めば鳴る離島の白き熱砂かな/橋本榮治
果てしなき熱砂に両親揃わぬ子/対馬康子
熱砂降る砂漠の薔薇と言ふは石/小池文子
ピラミッド叩けば熱砂こぼしけり/矢島渚男
熱砂ゆく老婆のこゑもせずなれり/山口誓子
熱砂行く老婆のこゑもせずなれり/山口誓子
軍配昼顔熱砂をにじりつつ咲けり/堀口星眠
ぎじぎじと熱砂は口をねばらする/長谷川素逝
ゴビ熱砂蝶きしきしと消えにけり/鍵和田釉子
壘を獲し熱砂のけむりあがりたれ/大橋櫻坡子
針/刄物/鏡/ひかがみ熱沙越ゆ/小檜山繁子
熱砂万里生きとし生けるものミクロ/金子如泉
熱砂駆け行くは恋する者ならん/三好曲「空港」
俳句例:41句目~
熱砂に漁婦泣き「日本の巡査かお前らは」/古沢太穂