季語/ねんねこを使った俳句

「ねんねこ」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「ねんねこ」について

【表記】ねんねこ

【読み方】ねんねこ

【ローマ字読み】nenneko

子季語・関連季語・傍題・類語など

・ねんえこ半纏(ねんねこはんてん:nennekohanten)

・子守半纏(こもりはんてん:komorihanten)

季節による分類

・「ね」で始まる冬の季語

・「冬の生活」を表す季語

・「三冬」に分類される季語

月ごとの分類

11月の季語

12月の季語

1月の季語

ねんねこを含む俳句例

ねんねこに残る面影父ぞ知る/上村占

ねんねこの凸の向うに狐の火/齋藤愼爾

ねんねこに神農の寅躍りをり/伊東蒼古

ねんねこのかならず仰ぐ大椿/山本洋子

ねんねこは寝袋母の温み保つ/品川鈴子

白鳥へねんねこの子を傾ける/奈良文夫

腰ゆするねんねこの婆山は雪/藤木倶子

ねんねこに泣顔埋め別れかな/阿部次郎

ねんねこや暗き川面に雪吸はれ/有働亨

初薬師ねんねこがけで詣でけり/河原白朝

ねんねこ半纒廃れ下町冬に入る/館岡沙緻

ねんねこから片手でてゐる冬霞/飯島晴子

ねんねこを負ひて聖壇用意かな/石田勝彦

ねんねこの親子の温み通ひ合ふ/中野俊郎

ねんねこを覗けば乳の匂ひ来て/永野冬山

ねんねこにまだ眠くない大きな眸/貞弘衛

ねんねこや西に流るる猿ヶ石川/齊藤夏風

ねんねこに当つて跳ねる鬼の豆/高澤良一

ねんねこや渡るともなく踏切に/大屋達治

ねんねこに母の一部として埋る/大槻右城

俳句例:21句目~

ねんねこの子ごと見返る雪の山/鈴木貞雄

ねんねこに母子温くしや夕落葉/中村汀女

ねんねこの袖に風ため春の畦/古賀まり子

ねんねこの下は磯着の安乗海女/出口一点

ねんねこも後姿はさびしかり/岩淵喜代子

ねんねこの中の寝息を覗かるる/稲畑汀子

ねんねこもスカートも膝頭まで/右城暮石

ねんねこの主婦ら集まる何かある/森田峠

ねんねこの海を見てきし男かな/黒田杏子

ねんねこに肌着乗っけぬ脱衣籠/高澤良一

ねんねこの母親異国の人なりし/町田一雄

ねんねこや桜の枝をかひくぐり/岸本尚毅

ねんねこに母より大きな乳児の顔/相馬遷子

ねんねこに遠山脈の澄む日かな/石田いづみ

ねんねこのその母のまだ幼な顔/古賀まり子

ねんねこの人出て佇てり鞍馬川/波多野爽波

ねんねこの子に吊革のよく揺れる/千原叡子

ねんねこの子を坐らせて母受診/下村ひろし

ねんねこの児の流し目を母知らず/品川鈴子

ねんねこの男の負える子の咳か/石橋辰之助

俳句例:41句目~

ねんねこの衿は天鵞絨夕日の野/岡本まち子

ねんねこの袖の奥なる赤子の手/青柳志解樹

ねんねこの赤に泰き児日は午なり/大野林火

ねんねこの母の眼子の眼いま空へ/皆吉爽雨

ねんねこや宿場の店の早仕舞ひ/片山由美子

ねんねこや畦に上れば湖が見え/大峯あきら

ねんねこを脱いで一度に背ナ寒し/田中彦影

人の子をのぞくねんねこ傾けて/赤松ケイ子

子を育てざりきねんねこ温からん/品川鈴子

情うすき如ねんねこに子をしづめ/皆吉爽雨

ねんねこにいつか来る来る風と霜/斎藤慎爾

ねんねこに埋めたる頬に櫛落つる/高浜虚子

ねんねこの手が風花を受けてをり/佐々木六戈

ねんねこに眠りて鼻のひしやげたる/品川鈴子

ねんねこの児の目が空を見てゐたる/山本歩禅

ねんねこに仕立て直して祖父の服/田原口秋峰

ねんねこにつむりころりと瞑りし/赤松ケイ子

ねんねこと喪服の似合ふペルシャ猫/栗林千津

ねんねこ姿は孔雀模様や子を誇る/中村草田男

ぼろ市やねんねこを着て何売れる/今井つる女

俳句例:61句目~

ゆすりあげつつやねんねこ覗かるる/岸風三樓

ねんねこの子の眼も沖を見てゐたり/畠山譲二

お火焚やねんねこの子もじつと見て/畑崎果實

子が子負ふねんねこ富士は風の神/殿村菟絲子

ねんねこの中よりしたるいびきかな/石田勝彦

ねんねこの中でうたふを母のみ知る/千原叡子

ねんねこやあかるい方を見てゐる子/京極杞陽

ねんねこやさぶいさぶいと子をあやし/岡本眸

舞塚にきしねんねこの掃きはじむ/大木あまり

赤子の頬ねんねこ黒襟母へつづき/中村草田男

赤子見んとねんねこの衿おしひろげ/佐藤直子

ねんねこよりはみでる父子の瓜二つ/尾形不二子

ねんねこの子へともなしに唄ふなり/片山由美子

ねんねこから横目つぶらな見晴しや/中村草田男

座席なきねんねこおんぶの客をいかに/富安風生

祷りひたすらねんねこの児の泣きもせず/大串章

ねんねこに深くうもれし児をのぞく/尾石/千代子

ねんねこに手が出て見えぬものつかむ/片山由美子