俳句例:101句目~
懐かしくサクがゐるなり夏座敷/高澤良一
すぐそこに海が来てゐる夏座敷/下田紫葉
茅舎の死ある夜ひとりの夏座敷/飯田龍太
ごたごたと物を置かぬが夏座敷/高澤良一
少女にして烏鷺戯に長ず夏座敷/中川四明
遠く来て大の字に寝る夏座敷/笹本カホル
灯を消して人ゐるらしや夏座敷/小林一松
いづこにも生者ゐて喪の夏座敷/辻田克巳
思ひ思ひに外を見てゐる夏座敷/細見綾子
壜触るる音のして夜の夏座敷/阿部みどり女
佳きかぜをふるまはれけり夏座敷/高澤良一
夏座敷父はともだちがいない/こしのゆみこ
はるかより這うて来る子や夏座敷/岸本尚毅
すぐ庭に下りてもみたく夏座敷/梅田実三郎
夏座敷茶のうまければおかはりす/高澤良一
行く雲を寐て居て見るや夏座敷/志太野坡/
しばらくは待たせて貰ふ夏座敷/古川杜子夫
待たされて山を見てゐる夏座敷/鯉江一童子
おのづから次女われの席夏座敷/石田あき子
風の樹々見せて木曽路や夏座敷/米住小丘子
俳句例:121句目~
うすぐらくあるふるさとの夏座敷/下村槐太
夏座敷みんな出かけてしまいけり/相澤由紀子
夏座敷またしてもとり散らしけり/久保田万太郎