「夏芝居」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「夏芝居」について
【表記】夏芝居
【読み方】なつしばい
【ローマ字読み】natsushibai
子季語・関連季語・傍題・類語など
・土用芝居(どようしばい:doyoshibai)
・夏狂言(なつきょうげん:natsukyogen)
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季節による分類
・「な」で始まる夏の季語
・「夏の行事」を表す季語
・「晩夏」に分類される季語
月ごとの分類
夏芝居を含む俳句例
汗拭や左袒ぐ夏芝居/高井几董
水芸の茫々たりや夜の秋/間石
夏芝居監物某出てすぐ死/小澤實
灯躍る水狂言の水の先/松藤夏山
蝋燭の明りで殺す夏芝居/品川鈴子
花道を鼠走れり夏芝居/宮下のりを
美しき舞妓来てをり夏芝居/町春草
客席にジーパン姿夏芝居/片岡我当
幕引けば躍る裸灯夏芝居/福田蓼汀
暗転に投入れ替る夏芝居/中村房子
座頭に芝雀淋し水狂言/大場白水郎
御聽が出て刃傷の水狂言/筑紫磐井
水芸が乞ふ満場の御喝采/筑紫磐井
さし金の鬼火が二つ夏芝居/池谷/陶
薄き幕引きて終りぬ夏芝居/小林春水
木の股に水溜りをる夏芝居/田中裕明
水芸のちりめん着附夏芝居/今泉貞鳳
殺し場の蒼き月あげ夏芝居/細川朝子
夏芝居果て蝋涙の溜りたる/品川鈴子
大見得を切る播州の夏芝居/佐川広治
俳句例:21句目~
奈落より舟せり上る夏芝居/岸野貞子
祀りある四谷稲荷や夏芝居/後藤夜半
本水も流行となりぬ夏芝居/高濱年尾
松助の枯れたる芸や夏芝居/富安風生
闇割れて白狐顕はる夏芝居/西村和子
鳴物に木を効かせ夏芝居/文挟夫佐恵
黒き幕わたせば夜や夏芝居/岩田由美
水狂言殺しは深川祭の夜/池田ちや子
水狂言役者の髪の艶めいて/斎藤由美
水芸のちりめん着附夏芝居/今泉貞鳳
水芸の一座かかりぬ天の川/田中冬二
六方を踏む少女あり夏芝居/鳥居美智子
騙されてみたき男や夏芝居/片山由美子
夏芝居撒き手拭は水浅葱/長谷川かな女
幽霊の手の下げどころ夏芝居/高田好子
怪談が好きで欠かさず夏芝居/河崎晏子
播磨屋がかかり札幌夏芝居/大橋越央子
木戸口に日がかん~と夏芝居/富安風生
想ひけり水芸太夫水中花/長谷川かな女
楽屋着も替えて中日や夏芝居/中村伸郎
俳句例:41句目~
聞えざる涼み芝居を唯見をり/高浜虚子
死にに行く対の小袖や夏芝居/千手和子
殺し場のはじめ音頭や夏芝居/下田実花
殺し場は本雨降らし夏芝居/杵屋佐平次
夏芝居影の演じてをりにけり/山田弘子
竹幹を燈に浮きたたす夏芝居/茨木和生
舞台暗し水狂言の灯は青に/黒川かもめ
にこりともせぬ水芸の大夫かな/岩田由美
利根堤くらさもくらし夏芝居/水原秋櫻子
ながながと切腹の場や夏芝居/大木あまり
温泉の多き土地なり夏芝居/中村吉右衛門
川のある方にわく雲夏芝居/久保田万太郎
枯れざまのするどき木あり夏芝居/上村占
夏芝居ときどき暗くなりにけり/細川加賀
千鳥なく土用芝居の海の景/長谷川かな女
美化したる死後の世界や夏芝居/成瀬正とし
語りべに市長も出でし夏芝居/松田/トシ子
灯ともりて楽屋透けゐる夏芝居/香川はじめ
水芸のはやしにつれてをどる水/淵上都紫郎
どこからか「もうしもうし」と夏芝居/品川鈴子