俳句例:201句目～
夏の月欠けをり明日は警察へ/和田耕三郎
鯉の血を飲まんとおもふ夏の月/鈴木太郎
船窓に手をさしのべつ夏の月/金尾梅の門
蚊帳吊れる二階あかるし夏の月/波多野爽波
しらしらと鯉のいろくづ夏の月/猪俣千代子
くろがねの機関車座せり夏の月/天田牽牛子
夏の月機翼を照らしまだ発たず/深川正一郎
夏の月昇りきつたる青さかな/阿部みどり女
夏の月刈藻もやがてけむりかな/宇佐美魚目
河から夏の月つかみだす浚渫船/磯貝碧蹄館
アイーダを聞きてローマの夏の月/西川弘子
またとでぬ役者なりとよ夏の月/久保田万太郎
シヨパン聴く濡れゐるやうな夏の月/石川文子
けものの香ふつとありたる夏の月/猪俣千代子
夏の月ジャンクは岸とわめきあふ/成瀬桜桃子
死ねば忘らることのよろしさ夏の月/清水径子
夏の月アクロポリスに迷い込み/すずきりつこ
夏の月うかれ坊主の浮かれけり/久保田万太郎
夏の月いま上りたるばかりかな/久保田万太郎
香にたてる木とありあゆむ夏の月/宇佐美魚目
俳句例:221句目～
友ぶねにすでに酔ひどれ夏の月/久保田万太郎
フランスパンばりばり割るや夏の月/ともたけりつ子
引く潮に砂利鳴る音や夏の月/本田あふひ句集/本田あふひ
大井川波に塵なし夏の月清滝や波に塵なき夏の月/松尾芭蕉
夏の月すずしく照れりわれは聞く云はぬこころの限りなき声/窪田空穂
清滝や波に塵なき夏の月清滝や波に散り込む青松葉大井川波に塵なし夏の月/松尾芭蕉
