季語/夏めく(なつめく)を使った俳句

俳句例:101句目~

十字路に仮面あつまる夏めく雲/秋元不死男

兎の目ほどの眼をして暑の兆す/猪俣千代子

丸ビルを離れ夏めく日となりぬ/稲畑廣太郎

松風の夏めく庵を追はれけり/久保田万太郎

暑の兆し言葉の刺のきらきらす/殿村莵絲子

夏めくやあしたゆふべの鷺のみち/木津柳芽

六月の帽子夏めくはひとのこと/米沢吾亦紅

うつむけば人妻も夏めけるもの/長谷川春草

いしぶみの火の一字より夏兆す/大岳水一路

書肆の灯や夏めく街の灯の中に/五十嵐播水

夜風入る灯を高く吊れば夏めきぬ/石田波郷

夏めくと木椅子一つをもちだしぬ/松林央子

裏からも読める句のれん夏めける/田村了咲

夏めきて阿修羅おもざし吾子に肖る/下村槐太

江戸趣味の目立ち夏めき来りけり/成瀬正とし

夏めくと頬炎えバスの新車掌/赤城さかえ句集

ヱゾニウの夏めく雨にひろごれり/長谷川かな女

エゾニウの夏めく雨にひろごれり/長谷川かな女

夏めくこゝろあり水平なれば家郷のごとし/中塚一碧樓