俳句例:101句目~
爐火守の遠き雪崩に目覚めをり/石橋辰之助
雉子翔てり雪崩が懸けし虹の中/須賀川東声
目つむりて雪崩聞きおり告白以後/寺山修司
茂吉忌の暮れてとどちく遠雪崩/鷲谷七菜子
雪崩が恐い裏窓夜具の緋色延べる/伊丹三樹彦
山毛欅の芽の金色に明けぬ雪崩跡/殿村莵絲子
遠ざかる雪崩や炉辺に目をとづる/石橋辰之助
ランプ揺れつづく雪崩に闇ふかし/小林黒石礁
すでに恋ふたつありたる雪崩かな/鈴木しづ子
雪崩にまじりて氷柱落ちたる光かな/高濱年尾
雪崩あとの岩青し金縷梅の花つけて/内藤吐天
茶を捨てしほどの雪崩もききもらさず/阿部みどり女
森や谷まも眠るときあかくつらなるこころの雪崩/高柳重信
山を隔つ雪崩のとゞろきあたふた眼鏡をさやに収める/安斎櫻カイ子