「虫売」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「虫売」について
【表記】虫売
【読み方】むしうり
【ローマ字読み】mushiuri
子季語・関連季語・傍題・類語など
・虫屋(むしや:mushiya)
–
季節による分類
・「む」で始まる秋の季語
・「秋の生活」を表す季語
・「三秋」に分類される季語
月ごとの分類
虫売を含む俳句例
宵過や虫売通る町外れ/桃隣
虫売の燭傾けて壺覗く/平川花月
虫売や火の用心の莨入/寺田寅彦
浮世絵の女蟲売軽げの荷/後藤夜半
浮世絵の女虫売軽げの荷/後藤夜半
虫売のうづくまるとき虫の類/耕二
虫売の瀬田の唐橋渡りけり/齊藤夏風
轡虫売らるる馬は沓履いて/米田一穂
地下街に川の流れて虫売らる/杉本寛
虫売の先斗町へと曲りけり/小林青壷
虫売の虫のかず~申しけり/村上鬼城
虫売の裸電球ゆるめ消す/染谷佳之子
虫売の虫の身の上話かな/柳田静爾楼
虫売の老や聖書を傍らに/大場美夜子
虫売の灯を坂下に夜雨くる/伊藤京子
虫売や軽く担うて小刻みに/日野草城
虫売と夜の言葉を交しけり/高木丁二
虫売の来て賑かな門辺かな/日野草城
虫売も舟に乗りけり隅田川/内藤鳴雪
虫売に漸く更くる博多かな/清原枴童
俳句例:21句目~
虫売の黒子控へに籠のかげ/荒井正隆
その中に虫売夜を待てりけり/石田波郷
宵山の裾の暗しや虫売りに/小島千架子
手相見の隣りいつもの虫売屋/高橋春灯
月の出の虫売つねに憂かりけり/斎藤玄
虫売に叱られてゐる子供かな/藺草慶子
籠担ひ来るを虫売かとおもふ/友岡子郷
虫売がだぶだぶの服にて眠る/大石雄鬼
虫売が来てゐる風の匂ひかな/伊藤京子
虫売と話ぽつぽつ似顔画師/成瀬正とし
虫売のゐて退けどきの跨線橋/茂里正治
虫売の屋台に赫つと西日かな/草間時彦
虫売の暗きところに宵宮かな/石川桂郎
虫売の暗く灯して来たりけり/坂本鬼灯
虫売の灯ともしてより闇匂ふ/小林康治
虫売の帰る頃より鳴き始め/岡井/美津
虫売の脛長くしてむつつりと/岸本尚毅
虫売の荷を下ろすとき喧しき/高濱虚子
虫売や宵寝のあとの雨あがり/富田木歩
虫売りが殿りに乗り渡舟出る/西村公鳳
俳句例:41句目~
虫売りと胡人の町に出会ひけり/日原傳
虫売りのふいに大きな影法師/中村和弘
虫売りの拡げて屋台大いなり/青柳蛍子
虫売りの立てば大きな男かな/真砂卓三
邯鄲のほの~啼いて虫屋かな/中島月笠
墓守の子は蟲売りに市へ行く/寺田寅彦
蟲売の灯ともしてより闇匂ふ/小林康治
蟲売や宵寝のあとの雨あがり/富田木歩
松かげにゐる虫売や日の盛り/五十嵐播水
虫売が路地這入るいつぱいの声/原田種茅
虫売が街路樹に吊る灯はうれし/加藤楸邨
虫売の帰り支度を見てをりぬ/今井杏太郎
虫売の行燈の灯の消えしまま/成瀬正とし
虫売の布をかぶせてある荷かな/西村和子
虫売の話よかりし世のことを/成瀬正とし
虫売りの虫より青き籠を積み/塩原佐和子
虫売りの這ひ出る亀を戻しをり/下間ノリ
虫売りやひろしまの川水満ちて/佐川広治
虫売の鳴かずの虫も飼ふならむ/行方克巳
銀行のくろがねの扉に虫売れり/宮武寒々
俳句例:61句目~
虫売の鼻とがりつゝ灯にさらす/杉山岳陽
虫売は夜の声の中にかがみゐる/原田種茅
買はぬ子の問に答へて虫売屋/大塚とめ子
虫売の荷のきりぎりすまづ鳴けり/大石悦子
虫売の老いたる顔をうつむけて/成瀬正とし
虫売を素見してゐるおちよぼかな/後藤夜半
古都小径かぶと虫売子を寄せて/赤松ケイ子
虫売のときどき夜を見まはせり/今井杏太郎
さみしくて虫売は虫さわがすや/成瀬櫻桃子
蟲売のがちや~ばかり鳴きにけり/皆吉爽雨
蟲売のただゐる時を見たるのみ/八木林之介