「武者人形」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「武者人形」について
【表記】武者人形
【読み方】むしゃにんぎょう
【ローマ字読み】mushaningyo
子季語・関連季語・傍題・類語など
・かぶと人形(かぶとにんぎょう:kabutoningyo)
・五月人形(ごがつにんぎょう:gogatsuningyo)
・あやめ人形(あやめにんぎょう:ayameningyo)
・武具飾る(ぶぐかざる:bugukazaru)
–
季節による分類
・「む」で始まる夏の季語
・「夏の行事」を表す季語
・「初夏」に分類される季語
月ごとの分類
武者人形を含む俳句例
笈も太刀も五月に飾れ紙幟/芭蕉
武具飾る長男次男文科系/鷲田環
青畳静謐にして武具飾る/後藤夜半
飾り太刀倭めくなる熊祭/山口誓子
男には男の掟武具飾る/長谷田/義人
海彦も山彦も来よ太刀飾る/野木桃花
武具飾る光琳水を庭先に/中戸川朝人
鍬形の兜をはじめ飾りあり/後藤夜半
冬の陣夏の陣へし武具飾る/京極杞陽
出陣の稚き眉目武者人形/橋本多佳子
逗留や五月人形飾らるゝ/池内たけし
武者人形兜の紐の花結び/高橋淡路女
花の陣月の陣経し武具飾る/成瀬正俊
菊匂ふ白鮫着せの飾太刀/中戸川朝人
武者人形飾る仏間を明け渡し/岡本昌三
武者人形飾る座敷の舞稽古/近藤いぬゐ
赤ん坊武者人形の間に眠る/滝沢伊代次
わが飾る兜は香をたきこめむ/山口青邨
日月をいたゞく兜飾りけり/大橋櫻坡子
飾りある兜に直とうちむかふ/後藤夜半
俳句例:21句目~
飾りたる兜の緒こそ太かりき/後藤夜半
水仙や夜の影もてる飾太刀/五十嵐播水
身にしむや平家の裔の飾太刀/高橋悦男
武具飾り松籟乱れなき山家/大峯あきら
武具飾り誕生餅も背負はされ/伊藤白水
武者人形絵巻の山も川も晴/櫛原希伊子
武者人形飾りし床の大きさよ/稲畑汀子
しづかにも武者人形の髪そよぐ/岸本尚毅
ふくよかな足ふんばつて武者人形/檜紀代
二太郎を授かりたりし武具飾る/三村純也
初陣の父祖目に描き武具飾る/成瀬正とし
武具飾り朝冷つよき城下あり/大峯あきら
武者人形法躰にして馬上かな/大橋越央子
兜飾ることのよろしき洋間かな/久米三汀
百幹の竹のざわめき武具飾る/服部百合子
落葉松のみどりさす兜飾りけり/堀口星眠
武具飾る天才にならずともよし/阿部完市
武者人形楠は葉叢を盛り上げて/池上樵人
南朝に仕へたる太刀飾りけり/民井とほる
武具飾る海をへだてて離れ住み/加藤耕子
俳句例:41句目~
武具飾り鶏鳴何とはるかなる/大峯あきら
竹伐や雉子も佩いたる飾太刀/五十嵐播水
武具飾り終へて鼻唄交りかな/波多野爽波
武具飾り紫勝ちの部屋となる/今橋眞理子
武具飾る家名絶やさぬだけが能/高橋弘道
武具飾り海鳴り高き日となりぬ/大櫛静波
まつすぐに人見る男児五月雛/中村草田男
尾の厚き鯉そのほかの五月雛/中村草田男
一ふりの太刀は緒を解き武具飾る/皆吉爽雨
士道とはほの暗きもの武具飾る/成瀬正とし
乱好む太刀にあらずと飾りけり/阿波野青畝
野馬追武者家伝の太刀を床飾り/松崎鉄之介
五月人形殺という文字見ぬ日なし/田川飛旅子
五月人形見せて貰ひてすぐに発つ/鈴鹿野風呂
焚きしむる香はなけれど武具飾る/深見けん二