「零余子飯」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「零余子飯」について
【表記】零余子飯
【読み方】むかごめし
【ローマ字読み】mukagomeshi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・ぬかご飯(ぬかごめし:nukagomeshi)
・ぬかご汁(ぬかごじる:nukagojiru)
・薯子飯(いもごめし:imogomeshi)
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季節による分類
・「む」で始まる秋の季語
・「秋の生活」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
零余子飯を含む俳句例
報恩講大椀に盛るむかご飯/堀文子
懸命に働くが好きぬかご飯/中西倭
山姥の話のつゞき零余子飯/可児素子
御師の房戴く夜の零余子飯/秋山花笠
六十を過ぎて放埒むかご飯/武藤善尚
此の匂ひ蘭にもせうか零余子飯/呉老
珍客に咄嗟の妻が零余子飯/吉沢無外
お替りの茶碗に軽きむかご飯/星野椿
塩味のほどよく炊けて零余子飯/熊沢豊
炊きくれて日本遠き零余子飯/上崎暮潮
老僧のもてなし嬉し零余子飯/真柄嘉子
むかご飯民話後半妻に継がす/目迫秩父
むかご飯ぽろりと泪しめ出しぬ/赤松子
零余子飯むしろ奢りの餉と思ふ/瀧春一
むかご飯作りてありぬ里の寺/柴田月兎
米洗ひ零余子洗ひぬ零余子飯/尾崎迷堂
早々と灯ともる宿の零余子飯/折口/敬子
炊き上る匂ひのしかと零余子飯/豊川湘風
老いたれば言葉少なに零余子飯/藤芳延枝
遠き日を子等に語りて零余子飯/松本正弘
俳句例:21句目~
零余子飯/戦は遠い日のことか/柏岡恵子
零余子飯つやつやと炊け母恋し/栗間耿史
零余子飯わが誕生日忘れられ/石田あき子
零余子飯出てより話弾みけり/平田マサ子
零余子飯見合ののちの十年経て/塚本邦雄
零余子飯記憶の味に炊き上ぐる/原島悦子
たれかれに供へて熱きぬかご飯/黒田杏子
はらからに残る童顔むかご飯/柳原佳世子
むかご飯二人子ふたり嫁がせて/手島靖一
むかご飯悪事おおかた忘れたり/徳弘喜子
むかご飯水辺の母は跼んでいた/塩野谷仁
ブラジルは世界の田舎むかご飯/佐藤念腹
昏れてなほ青空があり零余子飯/角田春樹
父いつも余分は言はず零余子飯/柴野恵津子
むかご飯土鍋に炊いて神饌田守/佐藤うた子
むかご飯夕日がくらくなりにけり/永作火童
零余子飯母の匂ひに炊きあがる/名高栄美子
ぬかご飯二度炊きし二度味ちがふ/細見綾子
むかご飯炊くには足らず五六つぶ/神坂光生
零余子飯炊けさうなほど手に溢れ/稲畑汀子
俳句例:41句目~
木洩れ日のやうな余生や零余子飯/安斉君子
表沙汰になつてしまひぬ零余子飯/内田美紗
炊きあげてかすもの如しぬかご飯/角川照子
長生きは下手と言いつつ零余子飯/木室希実子
歯にふれてほのかなる香や零余子飯/松岡刻積
亡き父母へ湯気ほろほろと零余子飯/新井英子