「麦飯」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「麦飯」について
【表記】麦飯
【読み方】むぎめし
【ローマ字読み】mugimeshi
子季語・関連季語・傍題・類語など
・すむぎ(すむぎ:sumugi)
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季節による分類
・「む」で始まる夏の季語
・「夏の生活」を表す季語
・「初夏」に分類される季語
月ごとの分類
麦飯を含む俳句例
夕陰の新麦飯や利休垣/一茶
麦飯に何も申さじ夏の月/鬼城
麦飯や切に手力備へむと/齋藤玄
麦飯や母にたかせて仏生会/其角
麦飯や廂に垂るゝ栗の花/松藤夏山
麦飯もこの頃うまし鰯雲/角川春樹
麦飯の好きな佛に麦の飯/羽野蕗村
麦飯に黙つて暮し五十年/伊藤四郎
百姓の麦飯あつし蝉の昼/西山泊雲
麦飯に拳に金の西日射す/西東三鬼
麦飯や潮の縞の濃く薄く/川崎展宏
麦飯もよし稗飯も辞退せず/高濱虚子
暖かく天狗の麦飯抓みける/矢島渚男
麦飯に頂きますと合掌する/橋本寅男
麦飯に百姓咳をおとしけり/萩原麦草
麦飯に痩せもせぬなり古男/村上鬼城
美作の茶屋の麦飯三鬼の忌/大岩節子
麦飯と云ふも全麦には非ず/山口笙堂
麦飯にやつるる恋か猫の妻/松尾芭蕉
麦飯や旅の胃の腑は濁さずに/都筑智子
俳句例:21句目~
子の口を麦飯こぼれ夕立来ぬ/原田種茅
麦飯を清水に洗ひゐたるかな/茨木和生
来たらぬ日へ麦飯花を飾りおく/寺田澄史
麦飯のいつまでも熱き大暑かな/村上鬼城
麦飯のやや白は昔白夾竹桃は今/阿部完市
麦飯の裡にも涼のあらむとす/相生垣瓜人
メモ洩れの文字の如しよ麦飯は/栗林千津
自然食とは麦飯のメニューかな/岩崎照子
箸にかかりにくき麦飯皹いたむ/大熊輝一
麦飯をぼろぼろ食ひて涼しけれ/前田普羅
歯肉だけの母が嚥みこむ麦飯の音ぞ/橋本夢道
梅酒と麦飯水が生命のたなご見つつ/磯貝碧蹄館
振子のように明け暮れ麦飯と芋汁菜汁/橋本夢道
あらくれた掌にかくれる一杯の麦飯茶碗/萩原蘿月
麦飯に干鱈たふとき侘居かな/沼のほとり/中勘助
妹と桶屋を罵る母が麦飯を歯のない顔で食う/橋本夢道
光度の弱い裸灯の下に芋麦飯食う故郷の親子/橋本夢道