「紅葉散る」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「紅葉散る」について
【表記】紅葉散る
【読み方】もみじちる
【ローマ字読み】momijichiru
子季語・関連季語・傍題・類語など
・散紅葉（ちりもみじ：chirimomiji）
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季節による分類
・「も」で始まる冬の季語
・「冬の植物」を表す季語
・「初冬」に分類される季語
月ごとの分類
紅葉散るを含む俳句例
表裏表裏散り紅葉かな/井上哲王
流動食の母へ深裂散紅葉/上村占
山門や紅葉散りしく甓/寺田寅彦
菊坂は母の青春散紅葉/村松/堅
紅葉散り女を先の船着場/杉本寛
裏山の暗い青空紅葉散る/原子公平
散紅葉妹が小鍋にかかるかな/一茶
一椀を拝む夕餉や散紅葉/大庭紫逢
杉苔を埋め尽せし散紅葉/高木桂史
散り紅葉泛べる水に鳰あそぶ/春潮
湧き水の音遠近に散紅葉/下間ノリ
今日の別れ心の波に紅葉散る/樗堂
紅葉散りはてし梢に烏瓜/野村泊月
塀越にかつ散る紅葉暖く/石塚友二
散紅葉果なき如く色重ね/稲畑汀子
消炭の貧しき笊に散り紅葉/遠藤梧逸
散紅葉雪の如くに蹴立て見る/上野泰
柳河の水やはらかし散紅葉/西本一都
敷石に紅葉散りけり門の内/寺田寅彦
散紅葉人工芝に落ちつかず/池田博子
俳句例:21句目～
散紅葉塔ほど積まれ女人寺/渡辺恭子
なつかしき人散紅葉散黄葉/稲畑汀子
黄葉は散り紅葉は旺んなり/高野素十
音もなく紅葉散りゐる苔筵/杉山青風
金色堂出づや蒔絵の散紅葉/大橋敦子
紅葉散る岡の日和や除幕式/子規句集
七滝の一つが見えて散紅葉/新井秋鴨
尊がる涙や染めて散る紅葉/松尾芭蕉
散紅葉実盛の池染めにけり/堀口星眠
冬紅葉散りて数葉雪のうへ/高澤良一
紅葉散る虚子山荘の木洩日に/星野椿
金色の仏見し眼に散る紅葉/福島裕峰
森見ればよ火石の昔ちる紅葉/調管子
紅葉散る亀は黄檗山に出て/古舘曹人
紅葉散る両眼同じ明るさに/中島双風
中坪の早き暮色や散紅葉/野村多賀子
日光も奥へ来過ぎぬ散紅葉/木村蕪城
遠近や残る紅葉と散る紅葉/佐藤春夫
散紅葉水に乗る時迷ひなし/西村和子
紅葉ちる常寂光寺よき日和/高野素十
俳句例:41句目～
盃にかつ散る紅葉好し下物/尾崎紅葉
玄関に竹の手摺や散る紅葉/野村泊月
寂として御裳濯川の散紅葉/沢村芳翠
あだし野の紅葉散華の仏たち/村中聖火
うらやまし美しうなりて散る紅葉/支考
紅葉散るや筧の中を水は行き/尾崎迷堂
紅葉散るや鵜が啼ける東山/楠目橙黄子
しばらくは渦が放さぬ散紅葉/佐野不老
置ける如吹かれ来し如散紅葉/後藤夜半
散紅葉とどくを待ちて渕碧し/横山房子
盃を止めよ紅葉の散ることよ/高野素十
一村の紅葉散り去る響きかな/草間時彦
人の思ひ人の思ひに散る紅葉/井上哲王
塵斗を置き散紅葉掃きはじむ/橋本鶏二
夕風や山鳥の尾に散る紅葉/安藤橡面坊
夜の塔を風音越ゆる散紅葉/水原秋桜子
散り紅葉夜は天上のきらら星/野澤節子
散紅葉こゝも掃き居る二尊院/高浜虚子
散紅葉してゐる菊の障子かな/野村泊月
散紅葉まぶし板彫曼陀羅図/高橋より子
俳句例:61句目～
散紅葉空のまほらの邃きより/石塚友二
散紅葉鳥獣絵巻かくれなし/水原秋櫻子
一片の紅葉散り来し火鉢かな/野村泊月
柿紅葉散華の如く降りにけり/野村喜舟
沢菴をやらじと門の紅葉ちる/高井几董
磐石を刳りて磴とす散紅葉/松本たかし
神無月や雨月の傘に散る紅葉/西山泊雲
竹藪へふか～と散る紅葉かな/高木晴子
紅葉散り積む今更に師の訓へ/上井正司
散り紅葉追ふ散り紅葉島の墓/鳥居おさむ
さくら紅葉散り込む吉野の懸造/関森勝夫
ちる紅葉ちらぬ紅葉はまだ青し/正岡子規
とんとんと薪割り紅葉ちる日向/高澤良一
障子洗ふ水にかつ散る紅葉かな/草間時彦
滝道や火の粉のごとく紅葉散る/藤田露紅
散る紅葉地吹く風に飛んでなし/鈴木花蓑
暁星や尾ノ上の雑木もみぢ散る/滝井孝作
柏葉とこきまぜて焚く散り紅葉/中西蒼刀
行者道雉子翔ちさくら紅葉散り/関森勝夫
禽の声邃くかつ散る紅葉かな/徳永山冬子
俳句例:81句目～
毎日が去る日ばかりや散紅葉/百合山羽公
紅葉散る疾風には散らざりし後/皆吉爽雨
尽大地燃ゆるがごとき散紅葉/赤星水竹居
苔の上に掃き寄せてある散紅葉/高浜年尾
巨象めく根府川石に散る紅葉/長屋せい子
山住みの裏戸は掃かず散紅葉/馬場移公子
舟借りて水に泛べば散り紅葉/楠目橙黄子
臼まはす三輪の豆腐屋散る紅葉/田中寒楼
紅葉散る風の重さを載せて散る/鈴木英子
紅葉散るしづけさに耳塞がれつ/岡田貞峰
朱の鳥居くぐり且散る紅葉うけ/高木晴子
流れにははじまつてをり散紅葉/藤崎久を
小鳥呼ぶ師の口笛よ紅葉散る/小松崎爽青
わがつくる音の中なり散紅葉/米沢吾亦紅
紅葉散りつくすまで庭掃かず置く/松尾緑富
懸巣鳴き紅葉くぐりて紅葉ちる/百合山羽公
岩へ散り紅葉のなほも日を透かす/八木絵馬
紅葉散る音立てゝ散る立てず散る/星野立子
紅葉焚くけむりの上に散る紅葉/長谷川秋子
散る紅葉空の碧さに耐へて佇つ/小松崎爽青
