俳句例:101句目~
野兎わたる濁りすぐ消ゆ水芭蕉/澤田緑生
隠り沼をふちどる花の水芭蕉/能村登四郎
花了へて草にもどりし水芭蕉/佐藤美恵子
袈裟がけの傷を帆に負ひ水芭蕉/東條素香
雷過ぎし蕊なほふるふ水芭蕉/渡邊千枝子
水面より白澄みのぼる水芭蕉/和布浦喜代
風待ちのヨット等海の水芭蕉/百合山羽公
水芭蕉の風につつまれ相知れり/村越化石
誰彼の死や水芭蕉の花ほんのり/榎島沙丘
一花咲きたちまち百花水芭蕉/たむらちせい
水芭蕉思ひ述べざる如く咲く/久保田月鈴子
水芭蕉見る向きがあり其へ向けり/高澤良一
水芭蕉としてのみどりと白なりし/嶋田一歩
無垢といふ色にかがやき水芭蕉/白旗喜知子
木曾馬の仔が蹤きくるよ水芭蕉/北見さとる
スケッチのグループの来る水芭蕉/椙本千代子
水芭蕉に黒き珠置くアイヌの眸/長谷川かな女