俳句例:101句目~
水洟をすゝるとき顔ゆがみたる/高浜年尾
水洟のとめどもなうて味気なや/日野草城
水洟やうとましき老の到る見る/島田青峰
水洟のたらで仕舞ひし一日かな/会津八一
水洟のさびしさの日に幾度か/林田紀音夫
水洟に諭すふびんの煙草つく/米沢吾亦紅
老のよろこび水洟の句を得たり/松村蒼石
水洟かなし病母に語り及ぶとき/赤城さかえ
水洟の句を愛弟子のために書く/百合山羽公
水洟や追はぬに農夫を牛曳きそめ/香西照雄
水洟のほとけにちかくなられけり/森川暁水
水洟をも傍観受験の吾子死なせし/香西照雄
水洟を落して恥ぢてひとりかな/副島いみ子
水洟や土盛ることの手馴れしわざ/栗生純夫
水洟になんとも意気地なくなりし/小原寿女
水洟にもうなりふりもなくなりし/稲畑汀子
水洟や波濤のほかは見るものなし/杉山岳陽
子亡き妻の水洟泣くにはあらじかと/香西照雄
水洟のついといでたるおどろけり/瀧澤伊代次
「買ってやるよ」水洟の子へうるみ声/香西照雄