「峰入」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「峰入」について
【表記】峰入
【読み方】みねいり
【ローマ字読み】mineiri
子季語・関連季語・傍題・類語など
・順の峰入(じゅんのみねいり:junnomineiri)
・逆の峰入(ぎゃくのみねいり:gyakunomineiri)
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季節による分類
・「み」で始まる夏の季語
・「夏の行事」を表す季語
・「三夏」に分類される季語
月ごとの分類
峰入を含む俳句例
峰入や又強力が顔の癖/桑風
峰入の古里衆に合流す/粟賀風因
峰入や一里をくるる小山伏/芭蕉
百人の峰入の列やり過す/松崎亭村
峰入や大玄関の坊の紋/阿波野青畝
峰入や山坂花にはぐれ行/松瀬青々
峰入の杖を滴る急雨かな/水野白川
峰入や雷が残れる裏行場/円山夜白
峰入のまづは猩々袴かな/矢島渚男
峰入の中の先達若かりし/中島枝葉
峰入の笠刎ね仰ぐ蔵王堂/山下豊水
灯点して峰入宿の三時起/土田紫牛
峰入のしるべ石より坂急に/水上花村
峰入の吾に権限など顕たず/辻岡紀川
峰入の斧をぬらすや春の雨/松瀬青々
峰入の老いてものこる美男眉/及川貞
峰入の貸提灯を炉辺につみ/本田一杉
峰入の霧に冷えきし雨合羽/飯田京畔
峰入や月夜鴉がひとしきり/藤田湘子
峰入りの鈴の音絶えし日向水/上村占
俳句例:21句目~
峰行者霞のなかに昼餉食ふ/木内彰志
峰入の道をせばめて箸を干す/森田峠
峰行者瀧に真向ふ白露かな/黒田杏子
山ざくら逆の峰入この門より/飯田晴子
峰入のきりりと手甲脚絆かな/富田直治
峰入のどやどやと過ぐ雷の下/西村公鳳
峰入の仕度ととのふ夏炉宿/恒川ひさを
峰入の弓引きしぼる刹那かな/山口草堂
峰入や桜見はやす幾ところ/岡本癖三酔
峰入や顔のあたりの山かつら/正岡子規
峰入の雨吹き上げて来る行場/田中丘子
峰入笠杖にむすびて坊泊り/熊谷伊佐緒
清浄に峰入口の掃かれあり/山崎朝日子
蕨はやほどろとなりぬお峰入/楠部南崖
峰入りのうしろ姿に手をかざす/桂信子
ちょとかむる峰入笠の涼しさよ/小松虹路
夜涼みや峰入衆も行き絶えし/大橋櫻坡子
峰入の泊れる坊の注連すがし/水原秋櫻子
峰入は大仰な珠数をかつぎけり/野村喜舟
峰入や一夜吉野の花にいねし/松根東洋城
俳句例:41句目~
峰入りの法螺聞えけり秋の山/藤田あけ烏
著莪に立ち峰入草鞋なじまする/米澤吾亦紅