俳句例:101句目~
三日はや海女ほゝかむりして通る/谷口三居
三日はや木に書く文字の音すなり/飯田龍太
哲二忌となりし一月三日かな/阿部みどり女
鶏小屋のことにかまけて三日かな/高浜虚子
三日はや双手を垂れて疲れけり/石田あき子
炉がたりも気のおとろふる三日かな/飯田蛇笏
三日ひとりまむかひて蠅うつくしき/小池文子
父の許に三日はやくも暮れゆけり/渡辺千枝子
飲み飽きて三日せせらぎ眩しくて/本宮夏嶺男
輸かざりやすでに三日の隙間風/久保田万太郎
二日三日四日病む鳥声のほかはなく/石川桂郎
雷鳴つて三日の松を晴らしたり/長谷川かな女
三日はや雲おほき日となりにけり/久保田万太郎
濡れしもの焚いて三日の碑に集ふ/野見山ひふみ
三日はやもの書きといふ修羅あそび/鍵和田釉子
季寄せ繕ふだけをいとまに三日かな/東洋城千句
じやんけんに勝負問はずよ子の三日/上田日差子
枯草のもう赤い芽の一月二日一月三日/栗林一石路
三日、強風、”金色夜叉”の夜に入れり/久保田万太郎
一月三日は霜のとけて乾いた道の鶴が岡/詣る/荻原井泉水