俳句例:101句目~
花みな枯れてあはれをこぼす草の種/松尾芭蕉
花の時は気づかざりしが老母草の実/黒柳召波
お転婆といはれ草の実いまもつけ/大場ひろみ
草の実のこぼれ鮠とびこともなし/篠田悌二郎
草の実に佇ちし二人が喜寿の今日/長谷川かな女
衣に着きし草の実を炉に泣かせけり/中戸川朝人
道のべの草の実はぢく声すなる/冬の土宮林菫哉
草の実赤く踏んでくる脚夫の大きな足だ/大橋裸木
南へまわりて風やはらげる草の実よ/冬の土宮林菫哉
草の実つぶら女人のいのちをいたはれば/中村草田男
払ひきれぬ草の実つけて歩きけり/龍膽/長谷川かな女
これがままごとならば草の実の実食べて死ぬ/斎藤冬海
草の実の飛ぶに動かぬ胡蝶かな/出雲-風水/元禄百人一句