俳句例:101句目～
草いきれ島抜けのごと小舟あり/近藤ひかる
草いきれに姦されそうな午後の蝶/細谷源二
草いきれまでは刈られずありにけり/稲畑汀子
草いきれスイッチバックの信号機/野々村広子
切れさうな月あらはれる草いきれ/三城佳代子
草いきれ振り向きて振り向かれけり/池田澄子
ひしほの香するや母郷の草いきれ/加藤三七子
とらの子のとらの斑も見ゆ草いきれ/室生犀星
この暑さ草いきれにも思ひ出湧く/殿村莵絲子
草いきれゾーリンゲンの刃が大事/波多野爽波
草いきれの路照りしらみゐてほそし/原田種茅
ゴルフボール探すあたりの草いきれ/岡本佐和子
草いきれの中の一と木のかげつくらず/原田種茅
草いきれ女人ゆたかな乳房を持てり/中塚一碧樓
子を連れて草いきれの道曲つて見える/北原白秋
梅雨の草いきいきとして捨ててあり/宍戸富美子
寝莚や窓から這入る草いきれ/一茶/文政七年甲甲
