俳句例:101句目~
草笛や目つむれば山河迫りくる/嶋西うたた
草笛を子と吹くこころちぐはぐに/吉田未灰
草笛のやうやう鳴りて歩き出す/池田ちや子
草笛のしばらく行きて捨てにけり/岩垣子鹿
草笛や子らの背丈をさだかには/山田みづえ
草笛をことばのごとく吹き合へる/山田弘子
草笛をふいて神田の生れかな/久保田万太郎
草笛を鳴らし喇吼手気玖りけり/阿波野青畝
草笛や星のひとつが地に墜ちて/金久美智子
野のいろの草笛の音に呼ばれたる/柏井幸子
草笛のきこゆるごとき手紙かな/加藤三七子
草笛や毛見が小者のさがしらに/石島雉子郎
草笛に思ひのたけをこめて吹く/内藤ゆたか
姉らしくなりて蘆笛つくりやり/石井とし夫
あれは芦笛漂着譚の父祖呼びの/伊丹三樹彦
左右の手の草笛の音を吹き分けぬ/三宅清三郎
せがまれて鳴らす草笛かすれけり/吉江八千代
草笛吹いて北国街道曲ることなし/長谷川かな女