季語/薫風(くんぷう)を使った俳句

「薫風」を使用した俳句についてまとめてみました。

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季語「薫風」について

【表記】薫風

【読み方】くんぷう

【ローマ字読み】kumpu

子季語・関連季語・傍題・類語など

・風薫る(かぜかおる:kazekaoru)

・風の香(かぜのか:kazenoka)

・南薰(なんくん:nankun)

季節による分類

・「く」で始まる夏の季語

・「夏の天文」を表す季語

・「三夏」に分類される季語

月ごとの分類

5月の季語

6月の季語

7月の季語

薫風を含む俳句例

薫風や磴百八の男坂/水原春郎

薫風や白鷺城の鎧櫃/八十島稔

薫風や病影を雲光り過ぐ/朱鳥

薫風の御宿鰊御殿前/石塚友二

薫風に求めて軽き山中紙/林翔

薫風や金襴巻きし円柱/羽部洞然

薫風や裸の上に松の影/正岡子規

薫風や衛兵交代整然と/築谷暁邨

薫風や艶戻りたる花鋏/朝倉和江

薫風や汀小高み浜街道/尾崎迷堂

薫風や只自らを顧みし/倉田素直

薫風や千山の緑寺一つ/正岡子規

薫風の中疾走の三輪車/渡井恵子

柴進の表巫敷や風薫る/正岡子規

薫風に大きく開く旅鞄/寺井満穂

鷺一つ立て青田の風薫/正岡子規

薫風に天平佛の肌拭ふ/狹川青史

古杉や三百年の風薫る/正岡子規

風の字が起す薫風書展出づ/林翔

薫風や下戸に戻りし老が宿/太祇

俳句例:21句目~

薫風の恙拭ひてゆく如く/坂井建

薫風の泉なるべし大榎/本宮鼎三

薫風を捌き疲れて夕欅/高澤良一

廃殿に薫風檜の香失せず/杉本寛

石毎に松もつ谷の風薫る/正岡子規

薫風や煙草の煙吹ちらす/正岡子規

石菖や薫風起るへごの鉢/正岡子規

かきわける花暖簾や風薫/正岡子規

破風赤く風緑なり寛永寺/正岡子規

薫風や神との間の白几帳/毛塚静枝

絵の島や薫風魚の新しき/正岡子規

薫風や神への誓い美しき/榎本摂子

薫風の大樹の言葉渚まで/松沢鍬江

薫風や衆門なべて芳しく/小出秋光

脇息に薫風細き腕を吹く/正岡子規

舞殿や薫風昼の楽起る/河東碧梧桐

薫風の島のポストに落す文/星野椿

薫風や角砂糖にある背信/浅田孝子

古杉の風薫りけり奥の院/正岡子規

薫風や那智谷汲を一吹に/高橋睦郎

俳句例:41句目~

鼓聞え謡聞え松の風薫る/正岡子規

薫風や鼈甲いろの伸子針/島村久枝

薫風を入れて授業の甦り/紙野康美

薫風の鏡に写す眉目かな/日野草城

薫風の雪崩落ち来る庇かな/上野泰

薫風を嶺より賜ひ大山寺/桂樟蹊子

御白粉の風薫るなり柳橋/正岡子規

薫風は軽き等圧狷介なり/香西照雄

風熱く大和心の薫りけり/正岡子規

薫風に人死す忘れらるゝため/遷子

駆け引きはなし薫風の占師/秋尾敏

薫風も敗者の旗も崖の上/対馬康子

日光へ薫風杉の十里かな/赤木格堂

春日野や薫風含む巫の袖/正岡子規

薫風がまはす縄文紡錘車/宮坂静生

薫風やめばるの瞳漆黒に/堀口星眠

薫風や三千院の懸樋鳴る/天野和風

薫風や五百羅漢の幅の反/会津八一

歴史には残らぬ男薫風に/相馬遷子

薫風や井伊の姫御の赤鎧/京極杜藻

俳句例:61句目~

薫風や元日から咲く桜草/渡辺水巴

薫風や全速力の鹿の脚/和田耕三郎

薫風や出窓の多き異人館/水幸幸雄

薫風や千手自在に観世音/田宮房子

薫風や奥の幽みし行者堂/風間蕉美

薫風や嬰の欠伸のOの口/今瀬剛一

海女潜き薫風磯に白らみたる/仙臥

薫風や春秋共に五十年/古藤一杏子

薫風や本を売りたる銭のかさ/百間

理學部は薫風楡の大樹蔭/高浜虚子

薫風に草のさざなみ草千里/山口速

薫風に袂ふくらむ馬上哉/正岡子規

薫風に首洗はるる池の亀/高澤良一

花嫁に蹤き薫風を頒たるる/大石悦子

通過駅薫風だけが音となる/中村恭子

踏みならす橘橋や風かをる/正岡子規

松の木に風蘭もありかせ薫/正岡子規

薫風や笊いつぱいの豆達磨/遠藤梧逸

薫風の脈打つて来る草千里/西村博子

一帆や薫風岬飛ばんとす/東洋城千句

俳句例:81句目~

薫風や古りて艶増す竹人形/大塩千代

薫風や祭の町に古書を買ひ/伊藤京子

薫風や黄鶺鴒啼く水屋の巣/渡邊水巴

薫風や一度も花を挿さぬ壺/朝倉和江

薫風や下駄の低さの恥しく/野村喜舟

半島の薫風へ干すをとこもの/藤井綸

薫風に丸洗いせし五体かな/森しず子

薫風や浅間の煙吹きかはり/野村喜舟

夏草や君わけ行けば風薫る/正岡子規

薫風や釣舟絶えず並びかへ/杉田久女

薫風や樹齢きそへる神の森/長谷川翠

薫風や大文字を吹く神の杜/正岡子規

薫風や大樹と大樹隣り居る/村越化石

薫風や酒母の泡立つ壷屋甕/中村阪子

薫風やむかし伯山の張扇/水原秋櫻子

薫風や蝿取蜘蛛の一二匹/島村元句集

薫風や草にしづめる牧の柵/奈良鹿郎

薫風や舟を放つてはまち釣/正岡子規

松島や舟は片帆の風かをる/正岡子規

松風の匂はゞ須磨の朝の内/正岡子規