「九月尽」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「九月尽」について
【表記】九月尽
【読み方】くがつじん
【ローマ字読み】kugatsujin
子季語・関連季語・傍題・類語など
・九月尽く(くがつつく:kugatsutsuku)
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季節による分類
・「く」で始まる秋の季語
・「秋の時候」を表す季語
・「晩秋」に分類される季語
月ごとの分類
九月尽を含む俳句例
九月尽遥に能登の岬かな/暁台
褌に贈別の詩や九月尽/黒柳召波
頼政の月見所や九月尽/榎本其角
古寺に狂言会や九月尽/五車反古
秋尽きぬ寝ぬ夜の夢の躍舟/調和
会議室海の絵も寂び九月尽/村田脩
かんがふる一机の光九月尽/森澄雄
九月尽机の端に手紙かな/高浜虚子
井の端の風露の乾き九月尽/菅裸馬
九月尽瓦漸く鋭き色に/宇佐美魚目
雲表に山々ならび九月尽/福田蓼汀
妻病みて目尻の乾く九月尽/穴井太
落し水滔々と秋尽るかな/増田龍雨
白波が白波追へり九月尽/千田一路
少年の商才かなし九月尽/楠本憲吉
昨日よりくらき白山九月尽/阿部完市
六尺の人のけむりや九月尽/攝津幸彦
命綱すぐ手のとどく九月尽/角川源義
九月尽くポプラに風の音満ちて/林桂
九月尽深き曇りに鳥飛ばず/相馬遷子
俳句例:21句目~
九月盡遥かに能登の岬かな/加藤暁台
傾城の小哥はかなし九月尽/宝井其角
大の字に寝て一畳の九月尽/土生重次
すり流すよき墨の香や九月盡/会津八一
月影の不破にも洩らず九月尽/黒柳召波
九月尽日許六拝去来先生几下/高浜虚子
秋尽日童の定命を如何にせん/飯田蛇笏
雨降れば暮るる速さよ九月尽/杉田久女
うす霜のむぐらが門に九月尽/細谷源二
まが雨の降りもつづきて九月尽/佐藤鬼房
ガラス器を磨きてしまふ九月尽/種市清子
九月尽胸あつくなる風邪ぐすり/古沢太穂
真昼野に焚く火透きけり九月尽/富田直治
九月尽まぶしきものを一日見ず/和田祥子
掌につつむ古黄瀬戸の釉九月尽/加藤耕子
パソコンでつける家計簿九月尽/満田春日
九月尽ゆべしをうすくうすく切り/細見綾子
日向朴の狂ひ芽しるし九月尽/飛鳥田れい無公