「口切」を使用した俳句についてまとめてみました。
季語「口切」について
【表記】口切
【読み方】くちきり
【ローマ字読み】kuchikiri
子季語・関連季語・傍題・類語など
・口切茶事(くちきりちゃじ:kuchikirichaji)
・口切茶会(くちきりちゃかい:kuchikirichakai)
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季節による分類
・「く」で始まる冬の季語
・「冬の生活」を表す季語
・「初冬」に分類される季語
月ごとの分類
口切を含む俳句例
口切や庵の行事の覚書/石井露月
口切や孟宗竹の雨しぶき/齋藤玄
口切におろす晴着の躾とる/星野椿
口切や主客の心一つなる/小林草吾
口切に時雨を知らぬ青茶かな/徳元
口切や小城下ながら只ならね/蕪村
口切のとまり客あり峯の坊/炭太祇
口切や宗旦狐座にまぎれ/井沢正江
口切や花月さそふて大天狗/炭太祇
口切や羽織袴で臼をひく/福村新舟
口切や南天の実の赤き頃/夏目漱石
口切にゆく近道の谷中墓地/佐野美智
口切に堺の庭ぞなつかしき/松尾芭蕉
口切や織部らしきを大切に/草間時彦
口切や誰我案内設けの座/松根東洋城
口切りに残りの菊の蕾かな/松瀬青々
口切の窓を過ぎゆく霰かな/会津八一
口切の隣も飯のけふりかな/蕪村遺稿
口切や五山衆なんどほのめきて/蕪村
口切や梢ゆかしき塀どなり/蕪村遺稿
俳句例:21句目~
口切や湯気ただならぬ台所/与謝蕪村
口切の壺と聞えてうやうやし/後藤夜半
口切の封も奉書もまつたき白/佐野美智
口切の菴や寐て見るすみだ河/高井几董
口切や日の当りゐるにじり口/星野立子
口切や今朝はつ花のかへり咲く/風/虎
口切やふるきまじはりまた重ね/及川貞
口切の抹茶を買つて梅の橋/野上智恵子
口切やところを得たる御茶壷/田中蘆風
口切やけふのよき日を京の水/角田竹冷
口切りや二霜三霜ありしより/赤羽岳王
口切に来よとゆかりの尼が文/篠塚しげる
口切や新居披露の意もありて/合田丁字路
口切の御詰にひかへをりにけり/稲畑汀子
口切りて嵐もそはれこほりもち/水田正秀
口切ややはらかき手をにぎりきて/宮坂静生
口切りに小啄木鳥来てゐる寒の明/高尾峯人