視力に関連した俳句の例をまとめました。
視力を含む俳句例
行春や視力躓く燈下の書/石塚友二
低く来る蝶の視力を考える/池田澄子
老農の視力雪虫に衰ふる/榎本冬一郎
衰へし視力枯野の端に立ち/菖蒲あや
一眼の視力頼りに年を越す/吉田満梨女
午後はまだ視力薄れて松の雪/野澤節子
向日葵や視力弱りし詩人らに/森田智子
木の葉髪視力が落ちて堅き本/高澤良一
水引に視力測られゐるごとし/高澤良一
流連の視力暗しや石蕗/椿/堀井春一郎
熔鋼が奪った視力へ黄の標識/河谷章夫
秋晴れて視力の戻りたる心地/岡安仁義
織女星視力弱るを今言はず/殿村莵絲子
視力図に蛾は卵産む爆音下/田川飛旅子
視力得てこの淋しさや鳳仙花/栃原和子
視力日々に衰へてゆく暑さかな/上村占
罫線の滲む視力やかりんの実/木谷はるか
蝸牛来る日来る日に視力なく/宇多喜代子
かぎりある視力のうちの土用浪/山口波津女
ぶだう垂るる今ひとたびの視力欲し/村越化石
俳句例:21句目~
こうも視力が弱くなつたか旱春の野に出てみる/吉岡禅寺洞
おもひでをたぐりて梁塵秘抄よむ視力とぼしきぬばたまの夜は/飯田明子